PandoraPartyProject

PandoraPartyProject

伝説の木の下で

 ――と、告げたら、あなたはとんでもない顔をしたのです。

 まるで想像していなかったかのような。
 別の何かを想像していたような。疑うように私を見ました。

 ……本当にひどい人です。

 私がタイを曲げたのも、あなたにばかりツンツンしたのも、そんなの全部。
 最初から、理由なんて一つしかないのに。決まっているのに。

 ――なんて、もっともっと早く。分かってくれても良さそうだったのに。

 照れたようにあなたは頭をかきました。
 半ば諦めたように、笑います。私はそんなあなたの笑顔が――で。
 だから、もうずっとずっと胸が一杯で。
 卒業式のこの日まで、待てない位に伝えたくて。

 ええ、ええ。
 馬鹿だって笑って下さいまし。
 リーゼロッテは、もうずっとあなたに――あなたに伝えたかったのです。
 眼を閉じて、唇を上に向け……万感を込めて今その一言を伝えるのです。

「ふりだしへもどる」

 そうだろうな!!!

PAGETOPPAGEBOTTOM