PandoraPartyProject

PandoraPartyProject

斉射三連! 絶望を貫け!


 桶をひっくり返したような雨が降っている。
 激しさを増す局地嵐のただ中、天をのたうつ雷が海をなでつける度に轟音が鳴り響く。
 滅海竜リヴァイアサンは、いよいよその暴威を吹き荒しはじめた。

 事の発端は、第二十二回海洋王国大号令に始まった。
 国力薄弱の海洋王国は、古くから外圧に悩まされてきた。
 海洋の民は巧みな航海技術を生かし、幾度もの大号令でまだ見ぬ新天地を目指してきたのである。
 歴史的な試みは全て失敗に終わってきた。
 それは海に横たわる『絶望の青』と呼ばれる危険な海域を突破出来なかったことに起因していた。
 だが海洋王国は『今回こそは違う』と確信している。
 それはこれまで数々の困難を突破し、かの冠位魔種ベアトリーチェさえ打ち破ったローレットの冒険者達イレギュラーズの参戦が期待出来たからであった。

 果たして。近海掃討に始まった一連の作戦は、国家事業に一枚噛みにきたゼシュテル鉄帝国との第三次グレイス・ヌレ海戦に辛勝し、いよいよかの『絶望の青』にこぎ出した。
 悪意を持つかのように迫る局地嵐サプライズ、狂王種(ブルータイラント)と呼ばれる巨大怪物と交戦し、一行は絶望の青の進撃を続けた。
 そこで姿を見せたのは、第二の冠位魔種『アルバニア』の影、そして伝説の海賊ドレイクであったのだ。
 魔種となった元イレギュラーズ……オクト・クラケーン(p3p000658)との邂逅を経て、イレギュラーズと海洋王国軍はアルバニアの権能『廃滅病(アルバニア・シンドローム)』に侵されていること、その生命にタイムリミットが生じた事を知る事になった。それは死の定めを背負う必滅の呪いなのであった。

 タイムリミットが刻一刻と迫る中、イレギュラーズと海洋王国軍は戦い続けた。
 島と島との航路を星座のように繋げ、海洋王国軍は遂に未だ見ぬ島『アクエリア』を橋頭堡として、魔種ミロワール等との死闘の末、遂に確保するに至ったのだ。
 そしてイレギュラーズはアクエリア島で発見した歪な黄金の果実と、コン・モスカの秘術により廃滅病の期限を引き延ばすことに成功した。
 しかし冠位魔種アルバニアは深海に姿を隠したままだ。
 じりじりとした時間が過ぎる中で、海洋王国は最後の作戦を発令する。
 それは死兆をものともせずに絶望の青を強引に突破するというものだった。
 無論あらゆる可能性と希望を呪う冠位『嫉妬』アルバニアは、これを決して赦さなかった。

 こうして一行は、魔種達が立てこもる最後の拠点『フェデリア海域』で激突するに至った。
 魔種となって海洋王国を裏切った海洋王国無敵戦列艦隊アルマデウス提督トルタ・デ・アセイテ、そしてバニーユ夫人。そして絶望の青の番犬たる伝説の海賊ドレイク――
 イレギュラーズはこれまで集めたパンドラの輝きに希望を託して、遂に姿を見せたアルバニアの恐るべき権能を封じ、築き上げたアクアパレスに進撃を開始した。
 大決戦を制し、しかし寸での所でアルバニアを逃した時、『それ』は現れた。

 ――称えよ、竦め。許しを乞え。我が名は滅海――滅海竜リヴァイアサンなり!

 出現だけで艦隊の二十パーセントに壊滅的打撃を与えた巨竜に、決戦で満身創痍となった海洋王国軍は、イレギュラーズは、懸命に戦い続けた。
 それは災厄だった。
 それは絶望だった。
 それでもイレギュラーズは、正真正銘『零パーセント』の希望を信じて戦い続けた。
 そんな時だ。ドレイク艦隊に突撃したイレギュラーズが舞い戻った。ドレイクという強力なカリスマを引き連れて――
 更にイレギュラーズの奇跡『パンドラ・パーティー・プロジェクト』は水神様――近海の守護者を絶望の青へと呼び寄せた。
 これまでイレギュラーズが戦い続けた故に、海洋王国は艦隊の再編成に成功していた。
 これで流れが変わった。
 怒濤の反撃に、醜い姿をさらけ出したアルバニアがついに姿を現した。
 これまで天を衝いていたリヴァイアサンが、怒れる巨大な頭部を海へとさらけ出したのだ。

 ――よし! やってくれたな。イレギュラーズ!

 大ガレオン船のブリッジで腕を組む海洋王国ファクル・シャルラハ艦長が拳を握りしめた。
 洋上で急遽再編された艦隊を率いるファクルは、リヴァイアサン――特にその頭部への艦砲射撃を狙っている。
 砲撃に集中するには、しかしこの海域に未だ巣くう狂王種が邪魔となっていた。
「頼む。イレギュラーズ!」
 ファクルの船に乗り込んだイレギュラーズ達は砲撃の準備を整えるため、狂王種を掃討するのだ。

 さあ、やってやろうか!

クエスト詳細

 絶望の青が舞台です。
 リヴァイアサンへの砲撃を可能とするため、狂王種を蹴散らしてやりましょう。

・敵
 狂王種ディープブルーシャーク×4

●備考
 本クエストは展開に特別な影響を与える『重要クエスト』です。
 本クエストがクリアされた回数に応じて海洋決戦<絶海のアポカリプス>に有利が生じる可能性があります。

 本クエストの取得EXPは20%となっております。

 担当GM『pipi


戦闘


 沈んだか。

 狂王種を撃退したイレギュラーズ達は、小型船をファクルの艦へと寄せた。
「助かったぜ!」
 礼を言うファクルに一つ手を振り、一行はファクルの艦と併走しながら、リヴァイアサンを睨み付ける。
「届いてくれよ、それじゃあ行くぜ!」

 ――砲郭を開け!

 ――アイアイサー!!

 ――斉射三連、ファイア!


 落雷のような砲撃が耳を劈く。
 放たれた無数の砲弾が天を貫き、かの巨竜へと炸裂した!

PAGETOPPAGEBOTTOM