PandoraPartyProject
<アイオーンの残夢>エウィン防衛戦
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古びた石畳の街道は、意外にも馬車が通れそうな程に幅広い。
ここ妖精郷アルヴィオンは『物の大きさ』が、ずいぶんとちぐはぐである。
妖精達の背丈は物差しほどで、家々もまた切り株をくりぬいたようなものが多かった。
皆おままごとのような食器で、豆粒のようなパンを食べて暮らしている。
対して古代遺跡の天井人の背丈を優に超え、古い道幅等もまた通常の人のサイズに見える。
天を仰げば、そもそもあれは、本当に無限に続くとも思える『本物の空』であるのか――
アルヴィオンは隔絶された空間だが、たどり着くためには深緑(アルティオ=エルム)の迷宮森林に眠る地下遺跡『大迷宮ヘイムダリオン』を踏破する必要があった。
イレギュラーズによる踏破によって転移装置アーカンシェルで気軽に行き来出来るようになった訳だが、そうなると思い出されるものが果ての迷宮の『セーブポイント』であった。
更には、このアーカンシェルとセーブポイントは、どちらもシュペル・M・ウィリーが製作したとされる遺失級の魔術装置であるようだった。
伝承のもう一つの共通点は、幻想(レガドイルシオン)を建国したとされる勇者王アイオンが挑んだダンジョンであるという点だ。
ならばあくまで、ひょっとして……なのだが。
例えばヘイムダリオンは『小さな果ての迷宮』とも云うべき空間であり、その奥に位置するアルヴィオンは、この世界に認知され吸着した小世界とでも云うのだろうか。
さながら果ての迷宮で発見された境界図書館や、その先の異世界(ライブノベル)のように――
憶測はさておき、話を正そう。
イレギュラーズは魔種が蹂躙するアルヴィオンに踏み込み、幽閉された女王と、占領されたエウィンの町を奪還することに成功した。
魔種は妖精城アヴァル=ケインに撤退し、町は勝利に沸いている。
だが魔種共が全て駆逐出来た訳ではない。
近く最終決戦が予測されるが、いくつかの課題があった。
徐々に明らかとなりつつある魔種は、どうやら妖精郷に眠る秘宝を求めているらしい。
これを調査し、必要とあらば干渉せねばならなくなった訳である。
また勝利したとはいえ、エウィンと周辺には取り残された妖精達が居り、これも救助せねばならない。
そしてエウィンは、魔種が放つ魔物による散発的な攻撃に悩まされていた。
妖精城アヴァル=ケインへの進撃準備が着々と進められる中で、イレギュラーズは町の防衛も行わなければならないのだ。
「勇者様。それではどうか、よろしくお願いします」
頭を下げたのはファレノプシス。この妖精郷の女王であった。
先日のエウィン奪還戦で救出され、イレギュラーズに並々ならぬ感謝を抱いているのは想像に難くない。
更には数々の面倒事を頼んでいる事になるのだから、心苦しさで一杯なのであろう。
「お手伝いするの!」
ひょっこりと顔を出したのは『花の妖精』ストレリチア(p3n000129)である。
飲んだくれの妖精だが、ヘイムダリオン攻略でずいぶん腕を上げたようで――念のためだが酒量のことではない――それなりに頼りになるだろう。
ともあれイレギュラーズは、エウィン周辺に出没する魔物退治に赴かねばならない。
出発を前にした女王からの通達は、くれぐれも無理をしないこと、食事はとること、それからあれこれをちゃんと持ったか、など。女王の言葉とは思えぬような、ひどく常識的なものであった。
なんというか日頃の苦労が忍ばれる感じだ。
さて。
町の周りを掃除してやろう。
クエスト詳細
こちらは妖精編のシナリオ関連クエストです。
今現在のストーリーをおさらいしつつ、補完するものです。
ほら、やれば女王と知り合ったことになる訳ですし。そういう感じです。
別に沢山クリアしても、特別なことは発生しません。
気軽にお楽しみ頂ければ幸いです。
・敵
『アンシーリーコート・レッドキャップ』×4
妖精達に恐れられる土着の邪妖精です。
様々な種類が居ますが、今回はこいつのようです。
中々に素早く、錆びたナタで攻撃してきます。
『ホムンクルス・ニグレド』×4
真っ黒でネバネバした人型の怪物です。
長く伸びる触手で攻撃してきます。
『同行NPC』
ストレリチア(p3n000129)
後衛タイプ。
・アクティブスキル
ブラックドッグ、エメスドライブ、ミリアドハーモニクス、マジックフラワー。
担当GM『pipi』
勝利時
「お疲れ様なの!」
ストレリチアが元気に飛び回る。
魔物はあらかた片付いただろうか。
「はやくかえって、きゅーっと一杯飲みたいの!」
あー。
「仕事の後は、ビールなの! モヒートもいいの!」
そういったものは、常春の住人にも美味いものらしい。
はてさて。
そこまで付き合ってやるかはともかくとして、ひとまずエウィンへ戻ろう。
暇ではないのだ。イレギュラーズは。
敗北時
「厳しいの……」
珍しく険しい表情をしたストレリチアもまた、疲労の色は濃い。
敵は思ったよりも強力だったようだ。
ここは撤退して立て直すべきだろう。無理は禁物だ。
引き分け時
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「厳しいの……」
珍しく険しい表情をしたストレリチアもまた、疲労の色は濃い。
敵は思ったよりも強力だったようだ。
ここは撤退して立て直すべきだろう。無理は禁物だ。