PandoraPartyProject

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職員会議

「さて、他でもない教師一同に集まって貰ったのはね。
 新年度を迎え、新たな学生を受け入れた我が校の教育方針を話し合う為なんだ」
 校長イノリの言葉に職員室の七人の教師達は互いに顔を見合わせた。
 徹頭徹尾何処を切り取ってもクソ企画極まりない今日という日にまともな一瞬でも造り出す気なのか、と。
 半信半疑にイノリに視線を向けた三年X組七罪先生達は彼の次の言葉を待つ。
「今の若い子達は昔と違って価値観も様々だし、教師が彼等に寄り沿う為にはまず彼等の気持ちを理解しないといけない」
「ごもっともなお話です」
 感銘を受けたようにベアトリクス(黒いの)が頷いた。
 社会科、主に公民を取り扱う彼女は校長先生を尊敬している。強欲で公民ってのも乙なもんだが。
「そこで、今日の議題は、今期の覇権アニメが何かを決めたいと思う」
「……は?」
 当然、ベアト先生は面白い顔をする。
「wwwwwwwwwwwwそれwwっはwwwっうぇww」
 一方で草を生やしているのは体育のバルナバス先生である。
「言いだしっぺの僕がまず提案しよう。僕はこれを推すね。
 なんていうか、とてもいいじゃないか。空、落ちてくる少女、爽やかな青春グラフィティ。
 本校の凡そ一万五百九十一倍程度、期待がもてるというものだから」
「イノリ殿は王道好きですからなwwwwwww拙者はwwwwこちらwwwww
 セラマリ、この作画は本物ですぞwwwwww二期確定wwww
 みるきぃ☆くっきぃと並んで約束された勝利の某wwww」
 この手の話には一家言持つバルナバス先生が挙げたソリッドな意見に一同が唸る。
「ねこは断然これだにゃー。
 同じ魔法少女でもこっちだにゃー」
 年上好きかー。
 先生達の熱の篭った会議は続く。ベアト先生は白目を剥いている。
「フッ、凡俗共め。貴様等にはモノの価値が分からないと見える……」
「ルスト先生の中二病には困ったもんだよ」
「中二病とか言うな!!! 私は無論、これを推す。諸君もいい加減弁えたまえ。
 世の中には萌えの他、燃えもいるという真理をね!」
「うーん、含蓄が深い。まぁ、私はそうだねぇ、しっとりと落ち着いたこれとか。
 うん、映画も好きなんだよね。これ何か超大作で期待出来るんじゃないかな?」
「ベルゼー先生、口にクリームついたままですわよ」
「ああ、こりゃ失敬。ルクレツィア先生はお優しいですなあ」
「まぁ、私は。こちらですかしら。
 余り真面目に推すとお叱りの声が来そうな所が、危険な私にピッタリです」
 イノリ先生に危険な感情を向けるドブラコンな所がピッタリなのです。
「まー、本当に趣味は色々よねぇ。アンタもいい加減諦めて何か言ったら?」
「……………」
 顔芸をしたままの自身に水を向けたアルバニア先生にベアト先生はようやく重い口を開く。
十三きゅん……
「wwwwwwwwwwwwwwwショタwwwwwww」
「ショタかー」
「ショタだにゃー」
「フッ、ショタだ」
「ショタですわー」
「ショタよねぇ」
 場が煮詰まってきた所でイノリ先生が咳払いを一つ。
「そろそろ、昼休みも終わる。一定の結論を出そうか。
 では、様々な意見を勘案して一番素晴らしいのは保険の蜻蛉先生で。
 ああ、僕は午後、このあといきなり熱が出る予定だから、先生達は皆授業頑張ってね」

 ――結局アニメ関係ねぇーし!

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