PandoraPartyProject

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最終話:せめて人間らしく、時に夢のように

「そんなに戦争がしたいんですか! さっきの章のめちゃくちゃどすけべえっちな挿絵のような貴女が居れば……争わずに済んだのに!」
「ぶはははッ、よくもまぁこんな無茶な戦いに耐え切ってくれたなぁ『ジ・Orc(オーク)』! さて、最後の仕事だ。気張って行こうぜ相棒!」
 超反応で突撃する『二輪』アルプス・ローダー(p3p000034)を、『黒豚系宇宙オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)の頑丈なオートパンツァーが受け止める。
「行きましょうウィズィ、私達は未来に向かって羽ばたく。そのために――こんな場所で、負けられるものですか!」
「うん!二人の翼を合わせて、何処までも飛んでいく‪──‬それが私達!」
 力を合わせ突き進む『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)と『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)。
「邪魔をなさいますかー???わたくしとあの人とのー??? だったらぁー、消えてくださいませぇぇぇぇぇ!!!」
 完全に発狂した『氷雪の歌姫』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)が斬りかかり、そこへ『五行絶影』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)が乗じていく。
「行くぞ、K-Oドッキング! ヌクモリティゲージ最大! ねこーMAX発動!」
「水着回の時だけ故障する系ロボ、イルミナッスよ!! ここは任せるッス!」
 一方で砂浜を突撃する『blue』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)とそれを援護する『真実穿つ銀弾』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)。
「水着も良いけど……ジャージだっていいものだろう!!! なんで分かってくれないんだ!!!!」
 またそこには修理を終え、決戦に間に合わせた『オトモダチ』シャルロット・D・アヴァローナ(p3p002897)たちの姿もあった。
 ビーム剣で斬りかかるシャルロットとそれを援護する『戦神』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)の斬撃。
「リズ直々の出撃には間に合ったようね。さぁ、帝国剣術を見せてあげるわ」
「アキナ=チャヤガサーカ!おぜうの存在に心奪われた女よ!!
 パンツァーの性能の差が、勝敗を分かつ絶対条件ではない!」
「Nyahahaha――貴様等。私は先に『向こう』へ往く。悦ばしい地獄で再会するのだ」
 広がる巨大な黒い壁。もとい『にんげん』オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)の特殊オートパンツァー。
 対抗するのは『咲々宮一刀流』咲々宮 幻介(p3p001387)と『Ende-r-Kindheit』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)。それぞれ剣をとり、敵へと勇敢に斬りかかる。
「拙者、しがない浪人で御座るが……お相手して頂けるで御座るかな?
 ただのヤマグチに見えるで御座ろうが、退屈はさせぬで御座るよ?」
「アイドルモード発動! 往生しやがれ……!」
 ぶつかり合う力と力。
 しかしブルーローゼス・アサルトの猛攻に、連邦軍のオートパンツァーは次々に撃墜されていった。
 その勢いに乗った帝国軍オートパンツァーたちも最高の士気の中、ついにピュアホワイトパンツァーまで迫っていく。
「ここまでか……せめて……せめてもうひとおしがあれば……」
 剣をつき、膝を突くレオンのリミット・ブルー。
 連邦軍のエースパイロットたちも疲労の限界にあった。
 だが……だがしかし!
「まだ終わってはいないぞ! 連邦のオートパンツァー乗りたちよ!」
 海から立ち上がる見慣れぬ機体。
 片腕を巨大なマントによって覆ったそれは、どこか懐かしさを覚えるオートパンツァーだった。
 通信回線が開く。
「オマエは……まさか、ギル――」
「否!」

 パンツを被った謎の男は、額(っていうかパンツのあのリボンとかつく部分)に指を当て、ニヒルに笑った。
「僕……いや我は『イケメンを捨てし者』。貴様の知る男は、無敵の傲慢によって滅びた。いまはただの……そう、ただのパンツマスクだ」
「ただのパンツマスク……」
「皆、思い出して欲しい。
 初めて自分の顔がついた瞬間を。
 喜びに沸いたあの感動を。
 けれどいつしか連邦は、そして帝国も、それが当たり前になってしまったのかもしれない。
 我らは思い出すべきなのだ。
 自分が、イケメンであったことを!」
「パンツマスク……!」
 ライフルを振りかざし、天空を撃つ。
「我らがやたらパンツをありがたがるのは何故だ!
 闇市を回したとき偶然ドロップする超高額のパンツに感動したからだ!
 我らがおぜうをやたら脱がせたがるのは何故だ!
 アトリエに並ぶおぜうイラストがなんか妙にエロかったからだ!
 我らがユリーカちゃんをいじりたがるのはなぜだ!
 表でいつも喋ってるユリーカちゃんが友達みたいで親しみやすかったからだ!
 思い出せ――『感動のオリジン』を!」
 打ち抜かれた天空が、虹色に輝いていく。
「これは……一体!? 私のブルーローゼスが……動きを鈍らせていく!?」
 あれほど圧倒的だったブルーローゼスが飛行能力を失い、大量に飛び交っていたビットが海や砂浜へと落ちていく。
 集中する砲撃の中、ブルーローゼスは爆発に呑まれていった。
「そんな、なぜ……私のブルーローゼスは最強のオートパンツァーのはず……!」
「夢だったのさ。皆が見た、暖かくて激しい夢。僕らは、目覚めなければならない」
 パンツマスクは……否、いさ顔のイケメンは(上の)パンツを脱いで笑った。
「そして思い出すんだ。僕にパンツを送り続けるのはなぜか。
 みんなの喜びが……夢が、僕を作ったのだということを」





 夢がほどけていく――。
 地球が、コロニーが、宇宙が、みなが夢見たあたたかいなにかが、ほどけていく――。
 そう、思い出せ。
 あなたが熱狂する理由は、なんだった。
 感動の、オリジンを――。

「はっ、夢か!?」
 ローレットの情報屋、ギルオス・ホリスはベッドから飛び起きた。
 隣じゃロバがのじゃのじゃいいながら顔をなめるし部屋中なんかよくわかんないアイテムで一杯だった。その半分は誰かのパンツである。
「それにしても、壮大な夢だったなあ……」
 目をこすりながら玄関を出て、ポストを開いた。
 そして。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛またパンツで一杯になってるううううう!!!」


 ――おはよう!

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