PandoraPartyProject

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Without opus number 31-4


 夢の都ネフェレストから交易路アズールロードを南へ。

 オアシスの町パドゥミラにたどり着いた者が初めに目を奪われるのは、その色彩だと言う。
 パドゥミラ近郊の鉱山からは色とりどりの天然石が産出され、市場は煌びやかな光に満ちているのだ。
 向かう旅はキャラバンに同行させてもらうのが良いだろう。
 ただし――腕に自信があればの話だが。

 文字通り玉石混淆の産出物には、価値ある宝石が混じる事もある。
 そうなれば悪い奴等も現れるというものだ。
 商魂逞しいキャラバンは傭兵を雇い、野党を退ける。
 勝てば大金、負ければ何も残らない。
 そうでなくとも野生動物や魔物も数多い。
 力がモノを言う世界がそこにはあるのだ。
 とは言え大盗賊キングスコルピオ亡き今となっては、砂漠の情勢は比較的平和であるとも言える。
 第一に傭兵はプロの戦争屋であり、とにかく腕っ節が立つ。
 だから。それだけならば、イレギュラーズが出る必要もない話の筈なのだ。

 この日、パドゥミラ中心の広場に砂漠の戦士達が集っていた。
 ショートスピア、バグナウ――マクアフティル。
 様々な武装を手にした傭兵が、皆一様に不敵な表情で遠方を睨み付けている。

「しかし、これじゃキリがねえ」
「一体全体、何が起きてやがんのかね」

 ネクベト(砂娘)とは、古くからこの一帯でちらほらと目撃されてきた怪物である。
 無垢なる混沌(このせかい)で魔物の分布などというものにさしたる意味はないが、それでも月に一や二といったものが毎日わんさと現れれば異常と言えよう。
 傭兵達はこの地域の商人達から依頼され、これと交戦していた。
 だがいくらなんでも連日に連夜というのは堪える。

「こうなりゃやっぱ、アイツ等かね」
「連中。なんでも天義のほうでデカブツを仕留めたって言うじゃねえか」
「らしいな」

 そこで――


 ネフェレストでイレギュラーを迎えたのは、『赤犬』ディルク・レイス・エッフェンベルグ(p3n000071)であった。
 ラサ傭兵商会連合における、事実上のトップである。
「面倒な案件で悪いが」
 件の『天義での仕事ぶり』について、いくらか他愛もない会話をした後、ディルクは本題を切り出した。
「アンタ方に頼みたいのは、そのネクベト討伐への加勢って訳だ」

 ディルクが言うには、敵は昼夜を問わず無数に沸いているらしい。
 ラサとて自体の抜本的解決に向けて動き出してはいるが、なにぶんまだ分からぬ事だらけ。鋭意調査中といた様子である。
 イレギュラーズは現地へ赴き、とにかく倒せば良いという話だった。
 報酬やら何やらの帳尻はどうとでも出来るということで、その辺りはさすがに傭兵の連合。現場の判断でどうとでもなるのだろう。

 では敵の能力はいかなる物か。
 やはり魔物は魔物である。民間人にとっては驚異ではあろう。
 だが『こちら側』の人種からすれば一体一体の能力は然程でもないらしい。
 必要なのは正に『人手』だと言える。
 その点、イレギュラーズであれば数はおろか能力さえも折り紙付きだ。

「ま、そんな所だ」
 早々に話を切り上げたディルクは「よろしくな」と手を振った。
 足早に立ち去る所を見るに、かなり忙しいのだろう。
 そんな中であえて天義での騒乱について訪ねてきたのは、趣味と実益を兼ねた所だと見えるが。
 はてさて。

 まずは街角や個人の伝手で仲間を募るのがよさそうだ。
 腕に自信があるなら一人でもいいかもしれない。

 そうしたらこちらもさっさと現地へ向かってやろう。

クエスト詳細

・敵
 ネクベト×6
 砂で出来たようなひとがたの怪物です。
 目立った戦闘能力はありません。

 担当GM『pipi

戦闘発生

 == 戦闘 ==
 あなたは敵と交戦し、撃破した。

リザルト


 最後の一撃を受けたネクベトは不意に動きを止め、ぐずぐずと崩れていく。

 倒した。ということで良いのだろうか。
 荒涼とした風に、砂がさらさらと流れていく。
 自然が作り上げたどこまでも滑らかな曲線は一つとして同じものはなく、寂しさの中に儚い美しさを秘めているようで――

 さて。砂嵐にでも遭う前に戻ろう。
 この戦域はひとまずこれで終了だ。


「やるじゃねえか」
 町に戻るとラサの傭兵が開口一番に話しかけてくる。
「イレギュラーズって言ったか? どうだ一杯やってかねえか?」
「やーね。イレギュラーズさんはあたしと飲むのよ。いいでしょ?」
 あなた達の活躍は、早速町の噂となって広がりつつあるらしい。
 退屈もあるのだろうが、英雄の冒険譚が気になるのではなかろうか。
 面映ゆさを感じぬでもないが、まあやることはやったのだ。
 後で肴(わだい)と引き換えに一つ奢られてやるとしよう。

 話してみると、傭兵達はやはり交戦に辟易した様子が感じられる。
 さしたる敵とは言えないが、やはり数は厄介なのだろう。
 こうしてあなた は謝礼を受け取り、ようやくひと息ついたのだった。

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