ノート
誰も知らなくてもいい、無意味な『事情』


――私は
あの人があの人なりにものを考えてるのも知ってるわ、子供じゃないもの。
悲しいものね。あの人は、誰もあの人自身の悲しみや苦しみがわからないのだから。
来歴と因縁
彼女は言う。
「語ったところで混沌ではなんにもないわ」と。
出身
元の世界の【帝国】と呼ばれる地の東から南に大きく広がる国境の山地。
その一帯すべてが伝統的に
スキアレイネ家には現在も家長に当たる祖父がおり、
ビヴラは三男である父親の子にあたり、継承権からは程遠いため家を出て暮らしている。
なおこの父親というのが非常に厄介な事情を抱えており、
結果として育児放棄をされているため現実的に親は実父ではなく実父の兄に当たる男性である。
種族
父親の抱えている事情の一つが、種族の問題である。
混沌にたとえるならば、彼と彼の家族は『竜種』と『亜竜種』くらいの差があったのだ。
本来竜として生まれるべきだった肉体は尾さえないひどく脆弱な
それをコンプレックスとしていたビヴラの父は、自分自身を改造した。
結果全身におびただしい量の呪いと魔術と契約をかけたそれは竜という枠組みを超え、
何かとしか形容しがたい種族となったのだ。
その何かと母親である
彼らには、尾があった。彼らは竜族の象徴を持っていたのだった。
双子の弟
ビヴラには双子の弟のリヴラがいる。
ビヴラが驚くほどに父親に似ているのに対し、リヴラは母親にびっくりするほどよく似ている。
ただし身長だけは逆転しているため、双子でありながらリヴラはビヴラより大きい。[註3]
普段は首都にある図書館で司書をしているのだが、姉の行方不明報告に動揺しているというのは
ビヴラには知らないことである。
『異端審問官』
彼女の職は異端審問官という大層な称号がついている。
これは多くの世界で宗教組織の所持する査問官のような存在となっているだろう。
しかし、彼女の世界における異端審問官は宗教組織の査問官――ではなく、
警察組織、あるいは『おまわりさん』程度の存在である。
その中でもエリートなので都市部に配属されてはいるのだが、
見た目が可愛いせいで、皆に可愛がられてるのは、仕方ないことである……
[註1] 竜族 :寿命がクソ長い。西洋竜の姿と人間型とその中間との姿がとれる
[註2] 小人族:身長100センチほどで妖精とエルフの中間のような種族である
[註3] 大きい :残念ながら身長160cmでも『大きい』のである――