親愛なる薔薇の君へ。
このような私信を、果たして友誼と呼ぶには畏れ多くありましょうね。
しかし過分なお言葉、切に有難く存じます。
知らぬが花とは申しますが、私というのはそれこそそういうものです。
きっと貴女は私のかんばせを見、私の声を聞いた時、きっと花とは言い難いものを感じるでしょう。
きっと、これだけの言葉でも貴女には味わい深いリドルとなるのでしょうね。
いつなりと貴女にとって興味深い私でいたいものです。
北は、貴女にとっては些か退屈でしょうか。
もしくは、些かなれども咲き誇れる大事な花壇でしょうか。
赤い薔薇園ばかり求めるのは無粋なもの。
蒼い薔薇が何ゆえに尊き蒼であるのか、知っていれば急き立てる意味もないでしょう。
貴女を敬愛する黒鉄の女より。
2021/01/20 00:47:02