貴様！！！
貴様等遂行者は何処まで節穴なのだ。
何か？　貴様は私を『なに』だと認識している？
特異運命座標？　協力者？
HA――！
私は、這い寄る混沌だ。ナイアルラトホテップだ。
人間のマイナスの感情で在り、レイドボスで在り、悉くを嘲笑するものだ。
私の世界の連中は、私を、混沌の化身と描いていた、書いていたのだ。
可笑しな話ではないか？　私が混沌だと謂うのに、世界が混沌とされている。
……貴様、アーノルド！

置き土産とやらはリンゴジュースではなかったのか？
焼き討ちは実に愉しかった。
マッチポンプも大好きだ。
Nyahahahahahaha!!!

貴様……嗚呼、貴様と謂う奴は！
其処まで理解しているクセに、貴様は私を使う気概もないのか？
好いか？　肩を並べようとは謂っていない。
これは、貴様が私を『本気で誘っていない』事に対しての苛立ちだ。

私を嘲るつもりだと宣うならば、好いとも。
頭を垂れてやろうではないか。

……丁度、貴様を狙っていた魔女も行方知れずだ。
如何だ？　私で遊ばないか？
もしも私を望むならば｜同一奇譚《せってい》を開け。
改めて名乗るとしよう。
私はロジャーズ！　ロジャーズ＝ラヴクラフト＝ナイア！
預言者とやらにも伝えるのだな！

嗚呼、貴様が先程言の葉にした通り、科白にした通り、我等は『神への冒涜』として記された『もの』だ。確かに貴様等視点では、遂行者視点では、預言者の目からは『敵』と見做されるのも道理。されど――貴様等の神の在り方とは即ち世界の『白紙化』――極光の如きもの。
この際だ。私はな『不在証明』とやらが酷く気に入らないのだ。無辜のフリをするのが大好きな世界だと思わないか？　まったく度し難い。そのクセ何処ぞの塔に棲む神は『蘇生以外何でもあり』ときた。何処ぞの魔術師も『そう』だ。いや……レベル1を思惟すれば不在も突破出来るかもしれんが。

テキトウに離反の言い訳を連ねてみたが結局のところ、私は貴様の人間臭い傲慢さに惹かれたのだよ。常々、私は、我々ナイアルラトホテップは、迂闊な部分が目立つな。考えておくが好い――このやり取りも上位存在の掌の上と思えば滑稽だが！

可愛らしい兎は結局のところ、同一奇譚の頁には出来なかった。
彼に関しては、成程、私は今でも愛しているが、この、拷問じみた沙汰は良質だ。
他にも様々な者に出遭い、出会い、此処まで至った。
そろそろ、本来の役に戻っても良いのではないか？

強壮なる使者として。

ジャンル問答が懐かしい、嗚呼、まるでサーカスだ！
脚本家は喜劇も悲劇も貪るものだ、筆を執らせてやれ。

特殊生命体に何を謂うのか、愉快な奴め。
夢を見ながら待ってやる。

貴様――準備は出来た。
あとは貴様の意志と、意思と、上位存在の気紛れのみよ！

では――ひとつ。
一応だ。
本当に良いのだな？
貴様は『死ぬ気』なのだな？

……実はな。届いたかは知らんが、預言者にも手紙を送ったのだ。
奴が頷かなくても『私は貴様につく』と。

これも拒むと謂うなら今度こそ、私は貴様の攻撃を、
受ける事と……。

宜しい――！
這い寄る混沌の化身として、特異運命座標として。
ロジャーズ＝L＝ナイアとして。

貴様の在り方を尊重してやろう、素敵な素敵なアーノルド。

おやすみ、いい夢を。