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文通

【自信過剰】スタニスラフ・グレイヘンガウスとの文通


拝啓 台風の候、スタニスラフ様はいいかがお過ごしでしょうか。
近頃の荒天に彼のグレイヘンガウス領への影響もまだ心配なこの頃ですが、ご無事にお過ごしのことと存じます。

私からの便り、というので肩肘張らずに近況を知らせてくださると幸いです。
近頃の私は少々覇竜地域に行ったところ、知らない女に心臓を抜かれたりしましたが元気にしています。とりあえず無事ですのでご安心ください。

何かこちらから手伝いができればまた気軽にイレギュラーズに声をかけてください。

夏の疲れはこの時分に出やすいとのこと。どうぞお体大切に。
2022/09/08 01:39:56
拝啓、ヴィクトール様

御心配戴き痛み入ります。然しながら主人はヴィクトール様の御手紙を見るなり「貴様が俺を心配するだと!? そんな甘い言葉を掛けて俺から何を奪うつもりだ!」と叫ぶや倒れてしまいましたので、失礼を承知で執事めが主人に代わりお返事致します。

近頃の嵐は激しさを増し、近頃では監獄の檻さえ破られたと聞き及びます。
何時降り注ぐとも知れぬ雨霰を前に領民一同戦々恐々とするばかりでは御座いますが、同時、先般程の悲劇は起こるまいと胸に希望を抱き、平素の生活を続けてもおります。
無論、その希望が薄氷の上のもの――云わば願望と紙一重である事は、主人を除き誰もが薄々と感じてはおりましょう。一方でグレイヘンガウス領が差し迫ると呼ぶ程の危機からは逃れられている事もまた、今のところは、という前置きの上であれば真実で御座います。

どうやらヴィクトール様は随分と波乱万丈の体験をなさっている様子。我々の方こそヴィクトール様を案じねばならぬ事でしょう。
とは申し上げたものの、我々がいつ他人様の身など案じておれぬ境遇に追い込まれるかは、神ならぬ身には定かでは御座いません。
もし、我々が思うより早く嵐が領内に侵入する事があれば、ローレットを頼る機会もあるに違いありますまい。その折には是非ともヴィクトール様のご厚意に甘えると致しましょう。
ともすればヴィクトール様は、グレイヘンガウスとは無関係な場所でもこの嵐に見舞われるやも知れぬでしょう。激しい嵐では御座いますが、領民一同、ヴィクトール様のご無事をお祈りしております。
主人にも自身を大切にするよう言い聞かせる所存で御座います。
2022/09/10 20:59:35
拝啓
スタニスラフ様、ならびにグレイヘンガウス家令様

思っていたものよりも激しい嵐がそちらに襲いかかっている今いかがお過ごしでしょうか。
此度は特異運命座標にも各派閥への誘いというものが苛烈になりつつあります。

さしあたってなのですが、どこにも所属しないでいる事による面倒を避けるために若しもご迷惑でなければそちらの派閥の一員として取り敢えず所属しようと思いますので若しもどこぞの所属かというのがありましたら教えてくださると幸いです。

もし所属していないというのでしたらそれはそれで考えますので無理にどこぞというような所属がなくても大丈夫ですので。

……新皇帝派だけは流石に、断ったほうがよさそうですが……。


急に気温が下がってきたこの頃、お体はスタニスラフ様も家令様も大事にしてください。
2022/09/25 02:19:30
 先日はどうやら爺が余計な事まで貴様に伝えたらしいな!
 だが俺はグレイヘンガウスを背負って立つ男。最早貴様の圧力に屈する事など無いと知り絶望するといい!
即ち、貴様の心配など杞憂に過ぎぬと俺は証す事が出来るのだ!

 成る程確かに俺は存在価値そのものに全能力を割り振ったような男であって、腕っ節で動乱の世を乗り切れるような力を持つ訳ではない。何れかの派閥を後ろ盾とせねば、グレイヘンガウスは盗賊どもから民を守る事さえ困難であろう。
 だが俺には父上譲りの、民を愛する心という偉大な遺産もまた備わっている。貴族としての責務を全うする歓びとも言い換えられよう。そしてその魂は自ずと志ある者を惹きつけて、苦難を乗り越える為の力に恵まれるのだ!

 ふ……何の事か想像も出来んだろう貴様の間抜け顔が、目に浮かぶかのようだな。
 もし俺が、その同志が貴様の嫌う新皇帝派であると告げたなら、その顔はどこまで面白可笑しく変わるだろうか?
 尤も俺自身、彼と会うまでは新皇帝派など暴力に陶酔するばかりの下らぬ連中ばかりだと鼻白んでいたのだが……まあ、奴らの中にも話の判る者がいたという話だ。

 俺とて新皇帝を敬愛すべきだとは露とも思わないが、軍の名門ローゼンイスタフの御子息だけは信用する事にした。この男、本当に新皇帝派と呼んで良いものやら甚だ悩ましい独自路線を貫いてはいるが……形式上はそれに協力する俺もまた新皇帝派の一員になったと言えるのだろう。
 ヴィクトール。新皇帝派だけは立場上選ぶ事の出来ない貴様に同情するよ。彼のような高潔な魂とも相対せねばならないのだから。
 だが――貴様がどの反逆者の派閥に与しようと俺の知った事ではないが、精々、魔種に反旗を翻すという大義名分を隠れ蓑に権力欲を満たさんと欲する輩を利して民を軽んじるような真似はしないでくれたまえよ。
2022/09/25 21:27:12

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