特異運命座標（アリス）へ

やあ、お手紙をありがとう。多忙にしている羽衣教会から書状を頂けるとは夢にも思わなかったさ！
おっかなびっくりと開いたが……君から貰った本は勿論茶会の席でしっかりと読ませてもらったさ。
私は『物語の登場人物（マッドハッター）』だからね、どの様な本であれども大切に読み込んで、その意味を胸に留めておきたいと考えているのだよ。
誰しもが大空を夢に見る事だろう。
私は地でティーパーティーを毎日開催するだけの気狂い帽子屋ではあるけれどね、空を自由に飛ぶ青い鳥に焦がれた事もあるともさ。
一つ断りを入れておくならば私は『宗教（おしえ）』というものには余りに疎くてね。
どうしてかって？　毎日を楽しく生きる為に誰が何を信じようと私は気にも留める事はないからさ！
君の努力が実ればいいも思うし、君を邪魔する者が居る可能性もあるかもしれない。だが、それは練達らしい、だろう？
私は練達という国を愛していてね。特異運命座標（アリス）は自己の努力で物語を作り上げる。
君も、君が思うようにその翼を広げてみるがいいさ。

私と仲良くしたいという言葉には是非と答えよう。特異運命座標（アリス）。
私も君を知りたいと思うよ。何、知的好奇心さ！　君の翼は何処へ向かって飛んで行くのだろうかと、ね！