――置き手紙の存在に気付いて、宛名もなく置いておけば彼に届くやもしれないと『悪戯心』で認めた。
『ルイバローフ』の君へ
此度はわたくしの『お願い』を叶えてくれたようで感謝をしております。
貴方の事はわたくしも存じ上げておりました。社交界の仇花は人を覚えることは得意で御座いましたから。
わたくしのことは、どうぞ、枯れかけた薔薇を見たとでも語って下さいませ。
追伸
殺し甲斐がなかったかい? はは、そりゃあ悪いね。
それじゃあ、また『素敵な出会い』がありそうなら紹介しよう。
アンタがアタシに会いたくなったときにでも、ねえ。
2021/06/16 21:15:16