拝啓
手紙とはまずこの言葉を添えるとのことらしいが、実は意味はよくわからない。まあそれは置いておくとして、此の度筆を取り手紙を認めたのは、レオンについて、だ。
敏腕情報屋であるユリーカなら、既に知り得ているかもしれないが。
マリアは、レオンに父性を求めている。経緯は省くが、とりあえず「ぱぱ」と呼んでみた。一度、キャンプの時に。撫でられたが、暖かいものだな。
(次の行はまるまる消しゴムで消された跡が残っているが、『それに、それより前にも一度街角で抱き上げられた。少し驚いたが、それ以上に嬉しいと』と記されていたのを見破るのは難しくないだろう)
すまない、横道にそれた。
そういうわけで、本題はユリーカ、お前とのことだ。お前も、レオンが一応の父親代わりとなっているとのこと。
マリアにしろユリーカにしろ、正式な父親というわけでもない以上、「姉妹」というのもなにやらおかしい気もするし、「友人」ではあるのだろうが、どこか不思議な感覚というのか。自分ではどうにも的を得ない心持ちで、な。
この際なのでユリーカの気持ちを知りたいと思い、こうして手紙を送らせてもらった次第、だ。長々と書いたが、急がない故、暇があるときにでも返事をくれると嬉しい。
敬具
2021/01/20 03:18:12