神威神楽は、今日、雪が降った。

その……どんな便りを喜ぶか、迷ってしまって。
そちらはどう？
教えてくれた故郷は雪は降る？　外について、教えてくれれば嬉しい。

海洋王国の船が来たとセイメイが言ってた。
こん＝もすかという場所にも続いている船、だって。

海の中の雪？　とっても、見てみたい。
セイメイは何時か見れるかもしれないと言っていたから。
そうなれば、うれしいな。

未だ海は危険が沢山溢れていて、船での往来は、危険だと聞いた。
けど、手紙が届いているなら、うれしい。
海を越える人が、増えたんだね。

静寂の海、と呼ぶとセイメイに学んだ。カムイグラにとってはあの海は竜神の地。
皆が浜に降り立った時に天香の家の者が酷く憤っていたのはそう言う理由。
信仰の場所だった。
屹度、神使の皆とは全く違う海に見えていたんだと、思う……。

神とは、何か……。
小さな頃にね、セイメイから聞いたのは「神様は手を差し伸べてくれる相手」だって。
それだったら、皆が私の神様になってしまうから、今だと何か、分からないの。

……クレマァダ。
神様って、きっと、会えないから神様なんだよ。
守護柱様たちは、『精霊』で、本来は神様じゃないらしい。
だから、巫女は目に見えない誰かがいると信じて願う人、なんだと思う。

そう、おもえば、心が楽になったから。
私の、勝手。

海洋の、おまつり……で、その、とても、格好良かった。
クレマァダは、コン＝モスカの代表として、頑張っているんだね。
賀澄たちも、とても褒めていた、から……ええと、何て言えば、いいんだろう。

神様と共にのんびりと過ごしていた私にとって、
あんなに広い世界は初めてで、緊張した、けれど。
クレマァダも、きっと……とっても緊張して頑張って、ああやって責務を全うしてるんだと、思った。
だから、ええと……
格好良かった。
私も、ああやって、巫女として、がんばりたい、な。

コン＝モスカの、祭司長。
かっこいいね。