(……間が空いて、漸く返事が来る)
……俺は、
『俺達』は、お前しか知らなかったんだよ。
『霧島戒斗』の映し身として、『本物』であることを望まれて。
だが、俺達は俺自身を『つくった』存在にもマトモに見て貰えちゃ居なかったのさ。
あの人が見ていたのは、どこまでたっても、『お前』だから。
……分かるか?
絶対に、自分自身を見て貰えないことが。
自分を見て貰う為には自分でない『自分』をなぞり続けなきゃならない。
……正直、今思えばこっちに喚ばれたのは、俺にとって楽になれたのかもな。
だって、『ほんもの』になる必要が、最早何処にも存在しねぇんだから。
2021/02/09 00:15:54