手紙をありがとう、正純。
あなたが召喚を受けてから随分たちますが、今も元気にやっていますか。
星のよく見える夜がくるたびに、あなたが苦しんでいないか心配になります。
少し前は、出した手紙が返ってきたので驚きましたが、豊穣郷へ移っていたのですね。それでは手紙も届かないはずです。
あなたが星の巫女としての役目を全うしようとするなら、私はそれを応援していますよ。

毎日、ちゃんとご飯を食べて、天義によることがあったら顔を出しなさい。
それでは元気で。

キーン・エルドラドより

（封筒の中に小さく畳まれた手紙が入っている）
郵便屋の野郎、中身を透かして読みやがる。
全くこっちの仕事はアストリアの爪痕だのなんだのでクソ忙しいったらねえな。お前がいりゃあ丸投げできたもんを、お前ときたらアドラステイアだとかいう僻地に通ってるらしいじゃねえか。なんだってあんなクソカルトに拘ってんだ？

まあお前のことだからまたクソ真面目なこと考えてんだろうな。
情勢とかダセェこと言ってねえで、近くに来たら顔出せや。鍛え直してやる。

手紙をありがとう、正純。
あなたは今も星の声を聞いていますか？

あなたが子供を連れてきたときは驚きましたが、いまでは教会の人々ともともすこしずつですが打ち解けているようです。

あなたも誰に似たのかすぐ無理をするので、身体を壊さないようによく眠ってよく食べるのですよ。
あなたが帰ってくる日には、パイを焼いて待っていますね。

キーン・エルドラドより

（封筒の中に小さく畳まれた手紙が入っている）

お前が連れてきたガキどもを見てたら、お前があの都市に拘る理由がちっとは分かってきたぜ。ムナクソの悪い話だ。
人間ってやつは良くも悪くも、自分で見たものしか信じられねえ。そこへ付け込むのがクソカルトのよくやる手口だが……どうも裏におかしな団体が絡んでそうだな。
ああいう連中は敵を飲み込む。お前も飲み込まれるんじゃねえぞ。お前って奴はすぐ影響されるからな。肩入れせずに――
いや、いいか。
お前の思うようにやれ。
なにかトチっても、責任くらいは取ってやるよ。

スナーフのことは……
まあ聞くな。それこそ、クソ面白くもねえ話だ。

『よくやった』