幕間
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ひとでないもの ふたり
ひとでないもの ふたり
関連キャラクター:メリーノ・アリテンシア
- 絞める、取り出す、詰める
- 貸し切りレストランの真ん中でターン・テーブルを押し付け合う。
回転している皿の中身は人間模倣の為のルールブックか。
暗い々い、窖の中で逆さ吊りになっていたのは、きっと、オマエが大切なものを失った所為だ。チョウチンアンコウの肝を冷やしたかの如くにのたうち回った蛆虫は、まるでドール、オマエと称される惑星を喰い散らかしたのだろう。鵜呑みにした末路が、虚の、限度の無い人間性の消失なので在れば、可能な限り抑え込みつつ、つつがなく無辜たらしく、フリークスへの道を歩ませる――私は最初から貴様の事を玩具か何かとしか視認していなかった。
――ろーちゃん、もしかして泥だんごを作ったのかしら。
――なんだかじゃりじゃりしてて気持ち悪いわぁ。
――貴様! 真逆、私の淹れた珈琲を飲めないと!
――もっと甘くしてほしいわぁ。
――角砂糖十個練乳蜂蜜その他大量投入! 不足か?
――ろーちゃんお料理下手なのねぇ。
――何せ私には『舌』が無い故!
――Nyahahahahahahaha!!!
嘲笑も哄笑もクソもないと謂うワケだ。オマエの口腔にヤケに残った、泥濘の沙汰は愈々、取り返しのつかない魔性を孕んでいる。此処は魔障と書き換えた方が正しいとも考えられるが、さっさと水でぶくぶく戯れるのが好ましい。ああ、そうとも。オマエがコーヒーカップ底でタール状に成り果てて終う前に――。
――もっとおっきなカップが良かったのに。
――貴様、不満げな貌だ。もしや腹でも減ったのか?
――たぶんねぇ。
――ホイップクリーム、バケツ一杯で十分だと謂うのに!
何もかもを放棄すると謳うならば、さあ、暈なった頭部の分まで捻り出すのが悦ばしい。ご丁寧にも差し出された掌へと、うねうね、腸のようなホイップクリームが膿を倣うのか。鯨飲――原因は不明だったが、あとは――膨らませるだけでも大歓声だ。この世の中のヒトサマは未完成だが、餓鬼、お子様ランチはワクワクさせてくれる。
――絵具と粘土は用意出来たのか?
――おなかのなかとあたまのなか。
――足りているのが悩ましい。 - 執筆:にゃあら