幕間
ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。
青薔薇の宝石の国
青薔薇の宝石の国
関連キャラクター:レイア・マルガレーテ・シビック
- 青薔薇のお茶会
- 今日の紅茶は、ダマスクスローズのフレーバーティー。
「来てくれてありがとうございます」
レイアがそう微笑めば、フーガと望乃は照れ臭そうに笑みを返した。
「呼んでくれてありがとな。にしても、すごいところだなあ」
「綺麗なお屋敷でお茶会なんて、嬉しいです。つい、眺めたくなってしまいます」
青薔薇に囲まれた美しい池。それがレイアの屋敷のある場所だ。
白い屋敷が池に身を沈めるように建っていて、ガラス張りの天井から外の光が薄っすらと差し込んでいる。水面に浮かべられた花弁の影もちらちらと舞っていて、水の中を揺蕩っているような気分になれるのだ。
望乃は天井の柔らかな光を眺め、フーガは床でゆったりと踊る影を見つめている。先輩たちが気に入ってくれたようで何よりだ。お茶会の準備をした甲斐がある。
屋敷や庭の様子、紅茶の香りやお菓子について話がはずみ、その後に話題に登ったのは最近行ったハンドメイド展だった。
チラシ配りをしているときや買い物をしているときに一緒になったわけではなかったが、三人ともそこに居合わせたらしい。偶然のような出来事だけれど、同じ糸に引き寄せられたような気もする。だから次にふらりと出掛けたときは、今度は同じ場所ですれ違うのではなくて、会って話したり、一緒に何かしたりできるように思えた。
「何を買ったんだ?」
「私はブローチです」
レイアも何を買ったのかを聞かれ、友人や夫に買ったお土産のことを答える。二人がその品々のことを想像して表情を輝かせるのが嬉しくて、照れ臭さを誤魔化すように紅茶に口をつけた。
まだお茶会に呼んだばかりだから、少し気が早いかもしれない。だけど、この三人で過ごす次を想像してしまう。
楽しみだ。そう口の中で呟いて、フーガと望乃に向かって微笑んだ。
- 執筆:花籠しずく