PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

なんでも屋アムタティのお店

関連キャラクター:アムタティ・エンリベール

光の世界の子供達
「便利屋さーん! 子供達のジュース入れてもらっていいかしらー?」
「はいッス!」
「便利屋さん、洗濯物取り込んできてもらっていい?」
「お任せあれ!」
「ちょっとー! つぎはあたしのばんって言ったでしょー!」
「もーちょっと、あとちょっとだからー!」
「はいはいキミ達、どうしたんスか〜?」

 職員や子供達に呼ばれて、敷地内をあちらこちらと駆け回るアムタティ。ここは幻想某所の託児所。今日の仕事は子守だ。
やがて日が暮れ、その子達の父、母、場合によっては祖父母が子供達の迎えに現れ。昼間の騒々しさが嘘のように過ぎて、穏やかな夜を迎えようとしていた。

「今日はありがとう、便利屋さん。助かったわ」
「でも、慣れない仕事で大変だったでしょ」
「いやいや、皆元気良い子達だったッスから」

 だって、彼らは玩具の順番で言い争う事はあっても、泥塗れのパンを奪い合う事はなかった。遊びの弾みで転ばせてしまう事はあっても、罵り合い殴り合う子は居なかった。
自分はああいう幼少期を送れなかったから、尚更そう思うのだろう。
願わくば、あの子達には路地裏の闇など知らずに育ってほしい。

「便利屋さんさえ良ければ、またお願いね」
「こちらこそ!」

代金が入った封筒を旨に、静かに家路を辿る。
今日もまた、『彼女』に近づけただろうか?

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