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幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

ブラウベルクにて

関連キャラクター:マルク・シリング

激戦明けの初仕事を
●ブラウベルクの剣
 返事を聞いてから、マルク・シリング(p3p001309)が入室すれば、部屋の主の女性が微笑を浮かべていた。
「先日はありがとうございました、マルクさん。お怪我の方は大丈夫ですか?」
 恭しく礼を尽くした女性――テレーゼ・フォン・ブラウベルクが少しばかり心配そうな表情を浮かべている。
 魔種グレアム・アスクウィスによるブラウベルク領主館の強襲から数日が経った。
 グレアムがあくまでテレーゼ狙いだけでここに来ていたこともあって、その損害はほとんどなく、既に通常運転に移行しつつあるという話は聞いていた。
「いえ、テレーゼ様のことを守り切れてよかったです」
 首を振って否定すれば、テレーゼがほっと安堵の息を漏らしていた。
「本日から2、3日ほどお時間を頂けるように予定を入れていただいたかと思いますが、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。予定の内容を聞いてなかったのですが、いったい何をすれば?」
「いえ――ブラウベルクの剣、と仰っていただけたので……少しばかり私の小旅行に付き合っていただければと」
「小旅行、ですか?」
「はい、エーレンフェルトに……今回、魔種アダレードの攻撃を受けて防衛戦が繰り広げた町にいこうと思うのです。
 戦後処理の多くが一応は片付いたらしいので、私が顔を出して領民の皆さんに健在を示して『ちゃんと貴方達を見ている』ということを教えてあげる必要があるのです」
「その巡行に、僕が同行する、ということですか」
「えぇ、お願いできますか?」
 穏やかに笑って、テレーゼが首を傾げる。
 返事は――決まっていた。
執筆:春野紅葉

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