PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

小狐の甘い日々

関連キャラクター:春水

ボクに似た高貴な食べ物
 ボクの毛色に似た真っ白なクリーム。ボクの耳や眉等に使われている色に似た真っ赤な苺。
 三角形に切り分けられたそれからボクは目を離せない。
 くんくん、と香りを嗅ぐとお菓子特有の甘い匂いがボクの鼻を満たす。それだけで、ボクの心は満たされる。
「ボクに似て高貴な色をしているだけでなく、香りでボクを満たすとは!やるな!『ショートケーキ』とやら!」
 ボクの前にあるのはショートケーキと言われる洋風のお菓子。白と赤で彩られたそれ。中はスポンジと呼ばれるものとクリームに包まれた苺で段が作られており、切る前も切った後も楽しめるというとっても素晴らしいものだった。
「では!いざ実食!!」
 フォークなる物をショートケーキに沈めていく。ちょっと取り過ぎてしまった気もするけれど、まあ大丈夫だろう!
口に運び、ゆっくり咀嚼する。雪が解ける様に柔らかい食感と苺の少し硬めの食感。2つの食感が楽しめるのがたまらない。
「お、美味しい……!」
 クリームだけでなく、スポンジにもほんのりと甘さがある。その2つの甘さを苺の酸味が引き立てていて、食べる手が止まらない。あっという間に完食してしまったそれに物足りなさを覚えるが、幸せな時間だった。
「ご馳走様でした!」
 終わりの仕草と言葉はしっかりと。また、食べたいな!
執筆:紫獄

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