PandoraPartyProject

幕間

これだから鉄帝は!!!!!

関連キャラクター:佐藤 美咲

プロモーション
 かつんとチェス駒が盤面を移動する。
 美咲が相対するのは鉄帝の傭兵、今回の依頼主だ。
「敵数は18人。BSを駆使して来るとのことだ。場所は雪原」
「チームより多いっスね。囲まれないように……かつBSや雪の対策もしないと、と」

「君はポーンが格上に絶対に勝つ方法を知っているか?」
 美咲の眉がピクリと動く。
「聞かせてもらえまスか」

 ポーンを握って!
 相手プレイヤーを力いっぱい殴る!!

 ガッシャーンとひっくり返る盤面。
 これだから鉄帝は!
執筆:7号
鉄帝式泣き相撲
 ゴギャワッ!!!

 それを『音』、それも『泣き声』と認識するより前に美咲の身体は宙に投げ出されていた。
「おうおう、立派な泣き声じゃあ!」
「いよっ!横綱!」
 泣きじゃくる赤子を囲んで大人達がやんややんやと囃し立てる。周囲の空気がめっちゃビリビリ震えてるけど関係ない。
 吹き飛ばされた美咲がゴロゴロ転がってても関係ない。

 鉄帝式泣き相撲。それは東西に別れた赤子を泣かせ、泣き声の大きさを競うと共に今後の健康と成長を祈る伝統行事だ。
「これだから鉄帝は!!」
 求人広告の豪華な賄い料理の写真に釣られ、スタッフとして参加していた美咲は至極真っ当なキレ散らかし方をした。
 でも冠に『鉄帝式』って付いちゃったらもうタダで済むわけないよねってコトでここはひとつ。
執筆:ゴブリン
知恵の輪
 バキィン!
 すごい音がした。美咲が見やるとなんか筋肉マッスルな男たちが集まって何かやってる。
 何をやっているのかと覗いたら、知恵の輪を持っていた。
 そう知恵の輪、あの二つ繋がった輪っかを外して戻す奴。
 へー、この国でもあんなパズル楽しむんだなぁと思った美咲だったが、じゃああの音はなんだったんだとなるわけで。

「ふんっ!」
 バキッ!
「おらぁ!!!」
 ベキベキッ!!

 答えはすぐに出た。男たちは知恵の輪を引きちぎっていたのである。
「よーし最高難易度の輪が解けたぞ! 俺が一番賢い!」
 おぉー、と称賛と羨望の視線を浴びて最後に知恵の輪を引きちぎった男がポージングを決めた。
「それは解いたって言わないんでスよ!」
 渾身の突っ込みも届くことはない。これだから鉄帝は!
執筆:心音マリ
順番なんてなかった
 美咲はラド・バウの試合を観戦するため、チケット購入の受付に行儀よく並んでいた。
「いーつまでかかるんスかねー……」
 今日の対戦カードはA級vsA級ということもあり、いつにも増して列が長い。今日もぐうたらと家で惰眠を貪っていたツケであろう。
 ようやく美咲の番が回ってきた。適当な席のチケットを購入し、受け取ろうとした次の瞬間、横から轟音がした。余波で受け取る寸前だったチケットは舞い上がり風の旅人に。
 一周回って心が穏やかになった美咲が横を向くと、柱に叩きつけられた男が筋肉モリモリの男にチケットを取り上げられていた。
 並ぶくらいなら並び終わった奴から巻き上げればいい!なんと合理的な鉄帝思考!これだから鉄帝はッ!ちなみにチケット代は返金されなかった。

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