PandoraPartyProject

幕間

今日の狼さん

関連キャラクター:ルミエール・ローズブレイド

ガールズドリーム

「ねえ、ルミエール」
「なあに、ルクス」
「こういうのはどう?」
「……あなたがさっきから私にこれをしている理由かしら」
「ふふ、そうだよ」
 少女漫画をなぞるように、ルクスはルミエールを壁へと押しやった。所謂壁ドンというやつだ。
 もちろんルミエールの半身たる彼には、ルミエールはどう思っているのかなんてお見通し。だけれども彼女自身の口から言わせることに意味があるのだ。
「ほら、教えて」
「ちょ、ちょっと」
「早くしないと……」

 食べちゃうよ?

 がおー、なんて言う訳じゃあないけれど。呼吸がかかる近さまで近付けば――

「……ルクス!」
「はぁい。ふふふ」
 ルミエールはぷりぷりと、頬を膨らませてしまうのだ。
執筆:
柔い温度
「ねえ、聴いてもいい?」
「その前に私の質問に答えてほしいわ」
 嘆息のように言ったルミエールに、ルクスはいつもの調子で朗らかに返す。
「やだな、質問したのは僕が先なのに」
「……わかったわよ。なにかしら」
「なんで君のほっぺはこんなにも柔らかいの?」
「やっぱり、その前にどうしてあなたが私の頬をむにむにしてるのか聴きたいわ」
 いつもの調子で揶揄うように笑うルクスにルミエールはふくれっ面をして応えた。
 事実、今はルクスがルミエールの頬に手を当てている。むにむに。実に楽しそうである。
「なにって、いい触り心地だからに決まっているじゃないか。こんなほっぺ中々ないよ。とっても柔らかい。やっぱりお菓子をいっぱい食べているから――……」
「ルクス?」
 じとりと目線を送るルミエールに「おっと危ない」とくすくす笑うルクス。
 それにやっぱりまたふくれっ面になってしまうのだけど。
 だから、ルクスの手が暖かくて安心する、だなんて。絶対教えてやらないのだ。
執筆:凍雨

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