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幕間

【幕間】台詞委託

関連キャラクター:ルブラット・メルクライン

故郷の医学書
異教徒の書ではあるが、砂国の老賢者が記した『治癒典範』はよき書物であった。訳文の趣味もよい。
簡潔にして正確、注釈も鋭い刃物の如し。知識とはかくあるべしではないかね。

最も、私の魂は彼の賢者とは別の場所へ向かうことになるが故、疑問点を直に問うことは出来ぬが――そういうものだろう?
執筆:蔭沢 菫
医師の存在証明
人によって快楽になりえる事象というのはそれぞれ違う。
私にとっての快楽を引き起こす事象が『殺人』だっただけで、それを変えることはもう無理だ。
この身に染み付いた感覚は簡単に取り外しは出来ないのだから。

私は確かに殺人を引き金として快楽を得て生きているが、それを罪と思っていないということはない。
もちろん私は罪深い存在だ。人の命を奪うことで、己の生を、快楽を実感するのだからね。
殺人こそが、私自身の存在証明他ならない。

そういえば……人の血管をつなぎ合わせると約10万kmになると知っているかね?
いやなに、聞いてみただけだ。気にしないでくれ。

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