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イラスト詳細

鹿ノ子のもみじによるSS用イラスト

作者 もみじ
人物 鹿ノ子
イラスト種別 SS用イラスト
納品日 2024年02月13日

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イラストSS

 白い花が咲く花畑を遮那と鹿ノ子はゆっくりと歩いていた。
 冬だというのに、そこはまるで春日の如く色彩豊かであった。
「すごいな、こんな所があるなんて……」
「はい。教えて貰ったんです」
 鹿ノ子は遮那の傍らに歩く望を撫でる。
「そうか、望は精霊だからこのような場所も知っているのか。よくやったぞ望!」
 わしゃわしゃと使い魔を撫で回した遮那の袖を鹿ノ子が引いた。
「遮那さん」
「ん? どうした?」
 ふわりと柔らかなヴェールを自ら被った鹿ノ子は遮那を見上げる。
 黄金の瞳がお互いを映し出した。
 それはまるで、ままごとみたいな結婚式をしたときを思い出す。あの時はごっこ遊びだった。
 けれど、今度はしっかりとその意思を持って紡ぐもの。
「今すぐにとは言いません。でも……いつか、いつか、あなたの『隣』を、僕にください」
 鹿ノ子の頬が赤く染まり、伝う言葉が少しだけ震えている。
「……お慕いして、おります。遮那さん」
「鹿ノ子」
 遮那は華奢な鹿ノ子の手を取り、をゆっくりと抱き上げた。
 落さぬようにしっかりと抱きしめ笑みを零す。
 鹿ノ子の心に呼応するように、吹いて来た風に、花弁がふわりふわりと舞い上がった。

※SS担当:もみじ

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