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イラスト詳細

楽しいクリスマス…伊都羽さんと銀路さんとシュトーレンさんと一緒。(クリスマス2023)

作者 ヤぴ
人物 祝音・猫乃見・来探
イラスト種別 関係者3人+PCピンナップクリスマス2023(→おまけイラスト)(サイズアップ)
納品日 2024年01月08日

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イラストSS

「いらっしゃい」
 そういって祝音は自宅を訪れた銀路と伊都羽を招き入れる。
「準備はバッチリみたいだな」
「今日は招いてくれてありがとう」
 世間はシャイネンナハト一色に染まっており、それは祝音たちも例外ではなかった。二人が部屋の中へと入ると、綺麗に飾り付けられており、祝音もまたこの日を楽しみにしていたことが伺える。
「色々と持ってきた。テーブルの上に並べるのを手伝ってくれ」
「おう!」
「わかった」
「美味しそうに盛り付けてくださいね!」
 再現性東京でも、この時期になるとシャイネンナハトにかこつけて様々なご馳走が売られている。一匹分丸ごとのターキーや、様々な料理が入ったオードブルなど。
 そう言ったものを伊都羽は事前に買っていたようで、それらをテーブルの上に広げると祝音が持ってきた皿に銀路が取り分け盛りつけていくのだが、その中にしれっと混ざりこんだのが一人(?)。
 シュトーレンが意思を持った存在でその名もアーカー・シュトーレン。紆余曲折を経て祝音と共に在るのだが、この日は一年で最も彼が輝く日である。
 そうして並べられたご馳走を食べながら談笑したり、何気なくつけたテレビでやっていたシャイネンナハトの特別番組を見たりと緩やかな時間が過ぎていった。
 この時期に外を出歩くのは気が進まないが、こうして家の中で過ごすのは悪くない。集まってくれた三人を見て祝音は静かに微笑む。
 胸の奥が暖かいのはきっと、温かいスープを飲んでいるからというだけではないのだろう。
「……そろそろ食後のデザートの時間ではないですか?」
 暫く和やかに過ごしていると、どこからかそんな声が聞こえてくる。その声の方向へと、呆れたように伊都羽が視線を向ければ、大皿を陣取っていたシュトーレンの切り身がそれぞれの皿に勝手に盛り付けられていく。
「分かったからそう急かすな」
「ん、シュトさん美味しい」
「コイツ、味はいいんだよなぁ」
 食べなければきっといつまでも騒ぐだろうことは想像に難くなく、伊都羽は盛り付けられた切り身にフォークを刺して仕方なくといった様子で一口食べる。
 続いて祝音と銀路も口へと入れるが、バターの香り豊かなしっとりとした生地を噛めば、ドライフルーツの甘味や酸味、ナッツの香ばしさが口の中へと広がっていく。
 その美味しさは銀路も認めてはいるようだが、やはりなんというべきか存在そのものが気になるようで複雑な表情を浮かべていた。
「まだまだありますから、たっぷり食べてくださいね!」
 こうして祝音たち四人の穏やかなシャイネンナハトがゆっくりと更けていく。

 ※SS担当者:東雲東

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