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聖夜にダンスを
聖夜にダンスを
イラストSS
「クリスマスに愛する奥さんのエスコート、役得だな?」
「うんうん、やっぱりクリスマスってのは特別だからね」
からからと笑うルーキスの姿はいつ見たって変わらずに愛おしい。特に真紅のドレスを纏ってくれているところなんて、より一層。はらりと風に靡いたその銀糸の一本一本を視線で追いかけて。きっとこれからもこの輝かんばかりの夜を共にするのだろうと笑った。
遠くから聞こえる街の音楽はクリスマスを彩る定番のもの。自然と体を揺らしたルーキスに、うやうやしく手を差し出した。
「というわけで、俺と一曲踊って頂けますか?」
「ふふ、勿論構わないよ」
律儀な旦那様だことだ。勿論、こんなところも大好きなのだけれど。
お手をどうぞなんて添えてくれた手をそっと重ねれば、二人同時にステップを踏み出した。
「去年もこうやって手を差し出してくれたっけ」
「さぁ、忘れてしまったな。だけどまぁ、こんな夜も悪くはないだろう?」
「うん。クリスマスっぽくていいね」
「ま、望まれればいつだって手を取るし、エスコートは勿論するし、」
「するし?」
「こうやって踊るのだって、いつだって」
「ふふ、そっか。じゃあまた踊るのもいいかもね」
冬の夜空の星座を繋ぐように。夜の終わりが来るまで、いつまでも。
※SS担当:染