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アルテミア・フィルティスのあきやま菜摘による2人ピンナップクリスマス2023
イラストSS
光の華と人の笑顔であふれる、きよし夜。
思い出の広場、特別な樹の下で花ひらく告白は、二人だけの宝物。
「君のために焼き菓子をつくるよ」
アルテミアの艶やかな銀髪がじゃれかかるように揺れる。
もう、はなさない――腕の中に閉じ込める彼女は、しがらみに雁字搦めで不自由な人生のきざはしの途中で、何度その瞳を麗しく揺らしただろう。
あの日、逃げて。あの日、名を呼んでくれた彼女が、今。
「隣に、いてほしい……」
「いつもそばにいるよ」
白銀の髪と絡み合うようにしながら同じ夜風に揺れる黄金の髪が、象徴的で嬉しかった。
「いつまでも共に歩いていこう。僕がエスコートするよ。いつまでも」
互いの髪に光が反射して煌めく視界が、夢のよう。
「僕を受け入れてくれてありがとう」
彼女を幸せにするのは他の誰でもない自分で、今、瞳を煌めかせる涙をぬぐう権利も、自分にある。
「君の帰る場所は僕の腕の中だよ」と言える――誰にはばかることなく、世界中に胸を張れる。
「君を愛してる。何度でも言うよ」
逃げることなく想いに蓋をすることなく心を響かせてくれた君に、神聖な愛を捧げよう。
「いいよね?」
貴き心を愛しく抱いて、高嶺の花の唇を吐息ごと奪ってしまおう。
声を発する代わりに、すがるように両腕がまわされるのが、愛らしい。ああ、許されている――
「ずっと好きだよ。愛してる。誓うよ……君という幻想の一輪華を慈しみ、守るナイトは、僕であると」
神聖なキスはやわらかで、触れ合った瞬間、心が震えた。
「ん……」
甘やかな想いが熱い吐息と一緒にまじわって。
惹かれ合い、求めあう想いが、――ひとつになる。
※SS担当者:透明空気