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ブルーノート・セッション
ブルーノート・セッション
イラストSS
シャイネンナハトのコンサート。
今まさに、1つのステージが戦場のごとく音楽家が争っていた。
ドラムのイズマと、ピアノのヴァインカル。
音楽に人生を捧げた2人の、強い魂のぶつかり合いが今ここに。
優しい論調で奏で始めたヴァインカルの音に合わせ、イズマのドラムが小さくリズムを打ち鳴らし。
サビに入れば2人の音は会場を震わせるほどの音へと変貌する。
(――そう来たか!)
これまでイズマはピアノに合わせ、先んじてドラムを打ち付けてきた。
だが唐突にヴァインカルは変化球を組み合わせ、拍子の違う2つのピアノの音で勝負を仕掛けてきた。
(――どう? 合わせられる?)
戦いについていけない者は敗北するのみと言わんばかりに鍵盤を叩くヴァインカル。
そんな彼女の変速級のリズムにも、イズマは同じようにドラムの音を打ち鳴らして食いついていく。
これは戦いだ。
音という、目に見えぬ刃を振りかざし、いかに観客の心を切っていくかの大勝負。
恥ずかしさも、緊張も、不安も、全てを何処かへふっとばして。
奏者も観客も全員楽しむ。
ただそれだけのために、彼らは音の戦いを繰り広げるのみ!
※SS担当:御影イズミ