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ハリエットの夏緒によるおまけイラスト
ハリエットの夏緒によるおまけイラスト
イラストSS
シャイネンナハトの深夜。もう出歩く人の気配もなくなったころ――
小さなくしゃみの音がした。冬の寒さが故、だろうか。
ふと、ギルオスはその音の根源がどこかと目を凝らせば。
そこには――ハリエットの顔が、至近にあった。
(……おっと。いつの間にか眠ってしまったのか)
二人で過ごすシャイネン。
時刻はまだ夜明け前。まだ起きるにも、起こすにも早い。
ならばもう少し眠ろうか。
ハリエットが寒くないように彼女にブランケットを掛け――ふと。
(あぁ……)
思うものだ。あと何度、この顔を見る事が出来るだろうかと。
(僕は……)
いつか。終わりがくるのかもしれない。
世界を救った時か。世界か、もしくは自分に終わりを齎す者が来たときか。
だけど。今はこう思うんだ。
「――君と一緒にいたいよ」
どこまでも。これからも。ずっとずっと。
「君と一緒に、いてもいいかな」
ギルオスは、愛おし気にハリエットの髪に指を絡ませ、言を零そうか。
彼の本心。偽りあらざるべき、望む心。
……珈琲の香りが、部屋には微かに残っていた。
それは彼にとって馴染み深き日常のモノだが。
部屋に在りしハリエットもまた、きっとそうなのだ。
ギルオスにとってハリエットは――いつの間にか、かけがえのなき日常になっていたのだろう。
※SS担当:茶零四