イラスト詳細
瀬能・詩織の番場ジオによる2人ピンナップクリスマス2023
瀬能・詩織の番場ジオによる2人ピンナップクリスマス2023
イラストSS
シャイネンナハトの夜に、最後の思い出作り。
冷たい風が吹き付ける中で詩織とウルフィンは揃って露天風呂に浸かっていた。
詩織はその身に染み付いた呪いの残滓の影響もあって病弱。
故に湯治のためにとウルフィンが見つけた秘密の温泉でゆったり、時間を過ごしていた。
「ふう……気持ちいいですね」
「ああ。湯冷めするなよ」
「もちろんですよ。さて……」
詩織はそろそろ、と呟きながら湯の上にぷかぷか浮かんでいたお酒のセットを手元に引き寄せ、そっと盃に酒を注いでいく。
透明で透き通った酒は傍目から見るとただの水にも見え、うっすらと詩織の姿を移す水鏡となる。
水鏡に映る病に冒された自分を飲み干すように、盃を傾けてゆっくりと喉に酒を通していく。
するする、するすると通っていく度に、ふんわり、ほんわか、意識が傾いていく。
「美味しい……。ささ、ウルフィンさんも」
「ああ、頂こう」
両手で盃を支えたままに、一束の髪で酒瓶を取ってウルフィン用に用意された大きな盃に酌をする詩織。
もう一度盃を傾けて喉に酒を通していると、はらり、とウルフィンの盃に雪が降り注ぐ。
「あら?」
気づいた時には、はらはらと少しずつ降り注ぐ雪。
思わぬ瞬間に良い雪見酒となったものだと、2人は酒を煽る。