イラストSS

「はろーはろー、サンタさんだよ～！」

　シャイネンナハトの日にやってくるサンタさん――もとい月季は大きな袋を片手に、街の中を練り歩く。
　子供達に向けて詰め込んだプレゼント、大人達に向けて詰め込んだプレゼント、あとなんか適当に配る用のプレゼントなどなど。
　片手で持つには難しいたくさんのプレゼント、どうにかこうにか広場まで持ち込んで月季は配り始めた。

「いい子にしてた？　じゃあプレゼントだよ！」
「今年はちゃんとしてた？　じゃあこれがプレゼント！」
「えっ、悪い子になっちゃった？　じゃあプレゼントはダメだな～」

　集まってきた子供達がいい子だったかどうかを見極めて。
　その隣にいる大人達が今年はどうだったかを聞いて。
　悪い子になっちゃった、ちゃんと出来なかった大人にはプレゼントという名前のお叱りを与えて。

　月季の考える『サンタさん』を目一杯やった。
　今年は『サンタさん』をやりたかったので、出来る限り、やれる限りでプレゼントを渡していく。

「サンタさん、ありがとう！」
「ありがとー！」
「どういたしましてー！　はい、次ー！」

　気づけば『サンタさん』からプレゼントをもらうための行列が出来ていたが、月季は知る由もなく……。