イラストSS

「真冬、ですよね？」
「はい」
「シャイネンナハト、ですよね？」
「はい」
「なんで私こんな格好してるんですか？！」
　リディアが思わず言いたくなる気持ちもわからないではない。彼女はサンタ服を着ていた。それも普通のサンタ服ではない、ビキニサンタ服である。
　こんな格好で何をするのかといえば、宿屋をパーティー会場にするための飾り付けである。
　寒さは宿屋の中なのでまぁ問題ないといえばない。ただし問題ないのと恥ずかしくないのではまた別の話である。だがしかし、お世話になっている宿屋である。頼まれてしまえば嫌とも言いにくく、結局こうしてリディアはビキニサンタ服を身に着けて精一杯背伸びをしながら大きなツリーを飾り付けているのであった。

　お分かりいただけるだろうか。
　少女から女性に移り変わっていきつつあるであろう身体、を見せつける衣装。
　華奢な体のわりにあるお胸をしっかり支えて見せつける衣装。
　そして視線を感じて羞恥でほんのり染まる色白な肌。

　当然この様子をやってきた人たちは目撃することになり、視線をくぎ付けすることとなり、ますますリディアの肌は染まっていくこととなった。
　この日、宿屋でこの姿を目撃した人々は心の中で手を組んでこの幸運を感謝したという。

　※SS担当：心音マリ