イラストSS

　――過去の賊退治のお礼がしたい。

　そんなメッセージを受け取ったエダは、ナイジェルと共にパーティ会場へと向かう。
　それが罠だと理解ったのは、到着してすぐ。
　エダを亡き者にしようとサンタに扮した賊がわらわらと集まっていた。

　それらは皆、過去に討伐された賊の仲間たち。
　ご丁寧にシャイネンナハトだからと、会場をそれらしく飾り付けしてくれていた。

「私の助力は必要かね？」

　ナイジェルが問いかける。

「いりません。すぐに片付けますから」

　エダが答える。
　終わればいつもの酒場に行こうとまで約束を取り付けて。
　自衛に徹しようというナイジェルの言葉さえも、必要ないと返しておいた。

　２人のやり取りに賊達も怒り心頭。
　勝利前提で組んだ陣形を崩さぬように、エダに向かって突撃してきた。

　そこから先の蹂躙っぷりは、誰もが知る結末。
　飛び散る飛沫が周りの壁に煌めく鈍色の赤星を作り出し。
　倒れる肢体がケーキの上で転ぶように散りばめられ。
　残った者達は怯え、震え、喰われるのを待つばかり。

　助けてくれと叫ぶ声も、神の使いのような男は聞き届けやしない。

　シャイネンナハトの日。
　それは何も、平和に過ごす日だけではない。

　※SS担当：御影イズミ