PandoraPartyProject

イラスト詳細

支佐手……

作者 鹿野慈
人物 物部 支佐手
劉・雨泽
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2023年12月24日

1  

イラストSS

●完璧で究極のケーキ作り
 シャイネンナハト、聖夜、特別な夜。
 様々な言い方のあるその日には、ケーキという甘味を口にする――
「そうなんですよ、雨泽殿」
「そうだね」
 何度と無く支佐手がそう口にしているから、雨泽は適当に相槌を打ちながらケーキを食べる。
「故に特別なけぇきを献上せねばなりません」
「そうだね」
 新たなスポンジが焼かれた。冷ましている間に先に焼いてあった分のスポンジへとクリームデコレーション。
「完璧で無くとはならんのです」
「……別にいいんじゃない?」
 眼前のホールケーキをフォークで突く雨泽は今何個目だろうと考え、その傍らで支佐手は新たにケーキを完成させた。
「…………」
 しかし、支佐手の表情が晴れない。
「支佐手、もうこれで完成で良いんじゃないの?」
「宮様の御前にこがあな半端なもんが出せるわけないでしょう!」
 これもと失敗ケーキ消化係の雨泽の前に新たなケーキが増えた。
「僕もうお腹いっぱいなんだけど……」
「ほれ、さっさと食べんさい」
 甘味が食べられると最初は嬉しかった雨泽も、何個もホールケーキを消化しろと言われれば苦しいものがある。
 けれど支佐手の頭の中は宮様宮様宮様だ。宮様が口にする以上、完璧でなくてはならない!
 ――結局、その作業は明け方近くまで続いたのであった。

 ※SS担当者:壱花

PAGETOPPAGEBOTTOM