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イズマ・トーティスのみずきのりんごによるおまけイラスト
イズマ・トーティスのみずきのりんごによるおまけイラスト
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「奏さん、美味しいな」
笑みを浮かべるのはイズマ・トーティス(p3p009471)だ。
「そうだね」
藤井 奏 (p3n000227)は微笑んだ。
イズマがいるからだろう、ケーキと紅茶は幸福の味がする。
奏は目を細め、苺のホールケーキを眺める。
嬉しかった。
歳を重ねるほど、ホールケーキを食べる機会は消えていく。
だから、久しぶりの出来事に奏の心は踊っている。
そう、イズマがマリンノーツの書斎に奏を誘ってくれたのである。
光栄なことだ。
「これは此処かな?」
「ん~……そうだな、そこにしようか」
書斎をイズマと飾り付け、部屋を眺める。
本棚には沢山の楽譜や依頼の報告書が奇麗に並び、ケースに入った楽器が大切に置かれている。
素敵な場所だ。
「さっきは寒かったからホッとするな」
イズマは紅茶を飲み、笑った。
奏は頷く。イズマに案内され、海辺で見たオーロラを思い出す。
イズマと見たオーロラは美しかった。
奏は今日を、イズマとの思い出を決して忘れないだろう。
「イズマ君」
「ん?」
「お誕生日おめでとう……いつも、ありがとね。そうだ、今日は夜更かししちゃおうか」
奏は言った。イズマにとって束の間の休息になることを願いながら。
※SS:青砥文佳