イラスト詳細
クウハのしゃおによるおまけイラスト
クウハのしゃおによるおまけイラスト
イラストSS
●雪月華、盃に浮かべて
夜空を照らす月明かりと、それを受けて夜闇に浮かぶ雪明かり。
今日は実に静かな夜だ。
酌み交わす酒が体温を上げるのを、雪の寒さが冷やしてくれるのが心地よい。
実に、心地よい――
「クウハぁ……俺なぁ、ほんっまに……感謝、してんねん……聞いとる?」
「うんうん。もう五回くらい聞いてるぞ」
完全に出来上がってしまっている彩陽が管を巻くのを、クウハは正気を保ったまま相槌を打っていた。
「君がぁ……君がな、帰ってこい、言うから……何があっても、ぜぇーったい、帰ったろて……」
「ああ。それで、約束通り帰ってきてくれたな」
眠気もあるのか、頭がぐらつき始めている彩陽の頭を支えるようにクウハは手を伸ばした。
「クウハのとこに、帰るためには……生きなあかんやん……? やからな、もうちょっと、生きてみよて……思えるんや……」
「何言ってんだよ。飲み過ぎだ、バァカ」
少し気恥ずかしくなってきて、彩陽の頭を支えていた手で緩く拳を作ると、クウハは額を小突いた。
「へへ……クウハぁ……」
小突かれても上機嫌なまま寝落ちていく彩陽に、クウハは苦笑と共に上着をかけてやるのだった。
※SS担当:旭吉