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サラ・アイソレイションの綾智による2人ピンナップクリスマス2023
サラ・アイソレイションの綾智による2人ピンナップクリスマス2023
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選りすぐりの音楽家たちがみせる演奏も、磨き上げられたグラスに注がれた高級なワインも、フロアに立つ貴婦人たちのドレスでさえ――その二人の前では霞んでみえた。
黒髪の男性が差し出す手を、銀髪の少女がとる。
まるで雪の国からやってきたお姫様と王子様だ。
ほうっとついた誰かのため息が、演奏の中に消えていく。
時を遡ること、すこしだけ。
サラ・アイソレイション(p3p006792)は自らのドレスに目を落としていた。
雪降る空のようにきらめく銀髪と空のずっと高いとこみたいに青い瞳。そして白磁のような肌。今日のドレスは彼女によく似合っていた。
「綺麗だね」
そう囁く清水 カイト(p3p010202)の服装もまた、貴族が待とうような上質な生地でできた服だ。いつもはラフな冒険家をおもわせる服装のカイトが見せる特別な姿につい見とれ、そしてかけられた言葉の意味が遅れてサラの心に染みこんでくる。
ぽっと頬に朱が差して、誤魔化すように両頬を押さえた。
カイトも自分で言って恥ずかしくなってしまったのか、それともサラの美しい装いに見とれてしまったことに気付いたのか、顔を真っ赤にして手であおいでいる。
そしてカイトから、そっと手を伸ばす。
エスコートをするように出した手を、サラはぎゅっと握った。
「……行こう」
舞踏会の会場へと、二人はゆっくりと歩き始める。
※SS担当GM:黒筆墨汁