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形守・恩の目覚ナレによるおまけイラスト
形守・恩の目覚ナレによるおまけイラスト
イラストSS
「ウチの目ぇ、ちゃんと見」
「お、己れは」
「あきまへん。ちゃんと見て。ほら」
今まで言わなかっただけ。でも、言えなかっただけでもある。
たったひとつの線引きが恐ろしくて、怖くて。もしも二度と友達にすら戻ることが出来ないのなら、今のぬるま湯のような距離感で居るのが良いのかもしれないと思っていた。
でも想いを告げないことがこんなにも苦しくて、つらいのだとは思わなかった。
だから打ち明けることにしたのだ。このままおざなりになんてできやしないのだと。ましてや、ひとつ屋根の下に暮らしている以上いつかバレてしまうものだと、とっくの昔に気付いていたから。
「ウチ、みぃが……命のことが、好きじゃ」
「?!!」
それは突然のことであった。目を見て、はっきりと。守りたいと思っていたひとからの告白は、命にとってはあまりにも予想外で声にすることすらできなくて。口をあぐあぐと動かしているうちに答え損ねてしまいそうだから、振り絞るように、或いは叫ぶようにその答えを返した。
「己れもだ!!」
「ウチが男でも?」
「それでも好きだ!!」
からかいだったのだろうか、本当だったのだろうか。そんなことを考える余裕はなかった。
だって、ただ、好きだから。
※SS担当:染