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一番安心できて、一番幸せな場所
一番安心できて、一番幸せな場所
イラストSS
美しいオーロラを二人で身に行ったあと。
冷やした身体は温もりを求め、二人は家へと戻った。
すごく綺麗だったね、とユーフォニーが頬を赤くして言う。其の頬の赤みは高揚だけではなくて、寒さから来るものであるとムサシは知っている。
だから己の片手でせめて少しでもぬくもればと頬に添えつつ、とても綺麗だったと返す。
するとユーフォニーはたちまちおでこまで真っ赤になってしまって、……何かしてしまっただろうか? ムサシは首を傾げるのである。
取り敢えず寒いでしょうから、とベッドに入り、もこもこの毛布で二人くるまる。どうせなら今度はあっちへいきたい、こっちへいきたい、と語るユーフォニーに、ムサシはうんうんと頷いて、……頷いて……
「……ムサシ?」
気が付くと、ユーフォニーをしっかりと抱き締めたままムサシはすやすやと無防備に眠っていた。
――いつだって誰かを護ろうと、奔走する人だから。
そんな人が安心して眠れている事を、寧ろユーフォニーは誇りに思う。ほんの少しでも彼の安らげる場所を作れているのなら、其れで嬉しく思う。
だから、たくましい身体に腕を回して、ユーフォニーも眠る事にした。この体温を愛おしく思う。ずっと一緒にいたいと思う。
だから、ねえ、同じ夢を見ても良いですか?
翌朝。
寝過ごしてしまったとムサシが時計を見て飛び起きるのはまた別の話。
※SS担当:奇古譚