イラストSS

●きらり、光る
　実在する『サク』の人格を再現されただけの聖遺物。
　そんな自分に心があったとしても、魂なんてものは無いと思ってた。

　――眩しい光で目が覚める。
　星が一筋流れていく。その先では、街全体が温かな明かりに満ちていた。
　身体は、恐ろしく軽い。飛べてしまいそうだ。
　どうも蘇ったわけではないらしい。
　少し、安心して。その時に、服の汚れが見えた。

　結局、最後まで消えなかった泥。
　敵だってわかってんのに、突然庇ってきて。それから最期まで。
　守った甲斐、無くて悪かったな。
　おまけに最期はあんな、消えたくないとか、生きたいとか。甘えたこと抜かして。
　……あんたにしか頼めなかった。最後まで消えなかった泥にしか。

　自分がいなくなったら、あんたはどこに戻るんだろう。
　イレギュラーズなら、あの光のどっかにいるんだろうか。
　あんた達が生きてていい世界なら。ちゃんと食えて、眠れて。寒くないところだといい。
　残ってるガキどもも、トキもそうだけど。
　この世界が間違ってないなら。誰も苦しくないってこと、見せてくれよ。泣かなくていいって、笑っていいんだって、教えてくれよ。

　あんたも含めてさ。マッダラー。

　※SS担当：旭吉