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イラスト詳細

エドワード・S・アリゼの黒猫による2人ピンナップクリスマス2023

作者 黒猫
人物 エドワード・S・アリゼ
エア
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2023(サイズアップ)
納品日 2023年12月24日

5  

イラストSS

 空は冷たく凍り付き、星々のトーンをより先鋭に描き出す。
 あたりに人工の光が一切ないその場所は、冬空をよりはっきりと見るのに絶好のロケーションだといえた。
 エドワード、エア、そしてロコ。しっかりと着込んだ二人と一匹は空を見上げ、シャイネン・ナハトの天体ショーを心待ちにしていた。
 エアとエドワードの手元からは紅茶の湯気が立ち、吐く息と混じり合って白い軌跡を描く。ほどなくして空の光、その色合いが変わり始めたのを、彼らは見逃さなかった。
 空の果てから、星空にヴェールがかかったように光が降りる。オーロラだ。
 空を染め上げ、蠢き、姿を刻一刻と変えるその様子を見逃すまいと目を瞠る彼らの頬を寒風が撫でつけ、その背をぶるりと震わせた。
 慌てて口に含んだ紅茶の熱が喉を、胃を暖め、側にいる相手の存在がお互いの心を温める。
 刻一刻と移り変わるオーロラの存在のみが、彼らの時間が着実に進んでいることを示していた。終わらなければよい。だが、終わるからこそ次を望めるのだ。
「また見に来ようぜ」
 オーロラの感動、その興奮から冷めぬままにエドワードは呟く。無言で頷いたエアは、その瞬間から『次』が待ちきれなくなった自分に気付いていた。

 ※SS担当:ふみの

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