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ファニーのサナセオキレによる2人ピンナップクリスマス2023
ファニーのサナセオキレによる2人ピンナップクリスマス2023
イラストSS
降るような星の下。あなたと二人で歩いた。
あなたと作った約束が、わたしを形作っていく。
星のような輪郭に彩られて、わたしがわたしになってゆく。
「ああ、星が歌っている……」
ファニーはそう呟いて空に輝く星を見た。
「星が歌うの?」
問いかける声は後ろから。ファニーは振り返り、彼女――ステラに微笑みかけた。
ステラはゆっくりと草の生えた大地を歩いている。
「そんなふうに見えるのさ。ご覧」
ひとは星に願いをかけて、星は願いを聞いて地上に歌を降らせる。ファニーはそう考えていた。
そんなおとぎ話を信じ、ファニーは星を長年見守り、時に星の魔術を操り、生きてきたのだ。
「本当、星が歌っているみたいだわ」
知らなかった満天の星空が、また新しい姿を見せた。そんなふうに、ステラは思う。
「なあ、ステラ――いいや、プリンセス。君の存在を、なにがあっても守るよ」
まるで星に願うように、約束を口にするファニー。
「アルファルド……ありがとう」
振るような星の下、差し出したファニーの手をステラは愛おしそうにとった。
それは騎士と姫君のような、どこか独特な関係性であったが、確かにそこにある。
二人だけの時間と、約束であった。
*SS担当者:黒筆墨汁