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杜里 ちぐさのぺいゆによるシングルピンナップクリスマス2023
杜里 ちぐさのぺいゆによるシングルピンナップクリスマス2023
イラストSS
きらきらと光り輝くイルミネーションを尾を揺らして見詰めている。
今日は約束をした。一緒にイルミネーションを見たら、暖かい部屋で楽しくお喋りをしよう、だなんて。
それだけを思えば心が躍ったのだ。
これまで『たくさんのたいへん』があった。それはちぐさだけではなくショウもそうだった。
(ショウは大丈夫かにゃ? 怪我とかしてないかにゃ?
……イルミネーションを一緒に見る約束、とっても楽しみにゃ。きらきらで、ふわふわで、早くショウに見せてあげたいにゃ)
何時も忙しそうなショウが喜んでくれるはずだと見付けたこの公園は穴場のスポットなのだという。
皆、大通りに行ってしまって飾られた光の海から顔を背けて買い物に勤しんでしまうのだ。
そんなに忙しなく過ごさなくて良いから。二人で綺麗だねと光を見て笑い合いたい。
ちぐさは小さくふるりと震えてから白い息を吐いた。
まだかな、まだかな。楽しみだと尾がゆらゆらと揺らぐ。
来てくれたら先ず始めに言う『言葉』は決めて居るし、それに、彼も屹度答えてくれる。
その時が楽しみで、ちぐさは一人佇んで――
「ちぐさ」
*SS担当:夏あかね