イラスト詳細
《SN2023》スラッとした男性二人がメンズコートを着てプレゼントを選んでいる所を見たいモブの視界/彁様
《SN2023》スラッとした男性二人がメンズコートを着てプレゼントを選んでいる所を見たいモブの視界/彁様
イラストSS
●
シャイネンナハトの鈴の音が近づいてくればプレゼント選びのシーズン。慕う相手へと毎年贈るのも楽しいことだけれど、長く続けていればマンネリ化していないか気になるもの。だからこそ――
「これとかどうかしら」
「いいんじゃない? でもこっちもよくない?」
「アラ素敵ね! あっ待って、あれも似合いそう……!」
ジルーシャは友人に意見を求めた。
アンタのセンスが今必要なのよ。そう言われれば雨泽は足音軽くついてきて、そうして今ふたりは練達のアクセサリーショップや雑貨店をハシゴしている。
ショーケースの中でキラキラ輝く輝石たちの間を何度往復したって、雨泽は不満を漏らさない。自分の友人へ贈るためのものであったり、自分のものも購入したりしているからだ。
「アラ、これ。前にアンタと飲んだやつかしら」
「工芸茶? そうかも。あ、それもあげちゃえば?」
「……贈り物が多くなると重たくないかしら……」
「うーん、じゃあ『美味しいお茶を買ったから』って誘う口実にすれば?」
なるほどと得心したジルーシャは「それじゃあ」と笑う。
「その美味しさを知るために、まずはアンタが付き合ってくれるってことね?」
そんな調子で気になったものを次々と買っていくものだから、最終的に沢山の紙袋の前で首を傾げるはめとなった――が、基本的にふたりの買い物はいつだってそんなものである。
※SS担当者:壱花