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オーロラ鑑賞
オーロラ鑑賞
イラストSS
「たまにはこう言うのも、悪くないね」
シャイネン・ナハトの夜の森で二つの影がピタリとくっつき、一つの影として佇む。
雪が積もる森の適当な切り株にルーキス・グリムゲルデとルナール・グリムゲルデの夫婦は一緒に座っていた。目的は目の前の空に浮かぶ空のカーテン、オーロラ鑑賞だ。
「いつもは家か、街中だったからな」
「ふふ、オーロラは去年も見たけど室内と外……ましてやこんな自然の中とじゃまた違った感じで面白いね」
「ルーキスが満足なら」
鮮やかに映り変わるオーロラを見る妻の様子を見て穏やかに微笑むルナール。そんな彼にルーキスは悪戯っぽく笑って。
「まぁ去年みたいに踊るのは大変そうだけど……これはこれで。旦那様の温もりをありがたーく感じれる気がするね?」
そう言って彼の腕に頭を預けて後ろにいる旦那様の顔を伺う。
「……愛する奥さんにそう言って貰えるなら夫冥利に尽きると言うものだ」
そう言ってルナールは妻を更に抱き寄せた。二人はお互いを抱きしめ合う。雪夜の森の中でお互いを温め合うように。
「帰ったら街中の聖夜パーティーでルナールと踊れたらいいね」
「何を心配している? そんなの奥さんの逢瀬のままに、だろう?」
「ふふ、君ならそう言ってくれると思っていたよ、愛する夫くん?」
※SS担当:月熾