イラスト詳細
《SN2023》吐息ひとつ分の温度を分け合えたなら/若崎にこ様
《SN2023》吐息ひとつ分の温度を分け合えたなら/若崎にこ様
作者 | 若崎にこ |
---|---|
人物 | ジルーシャ・グレイ プルー・ビビットカラー |
イラスト種別 | 2人ピンナップクリスマス2023(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2023年12月24日 |
10
イラストSS
「ねえ、プルーちゃん」
呼び掛ければ彼女はくるりと振り返るのだ。そのベルディグリに魅入られたように手を伸ばす。
愛おしい人。飄々と笑うけれど、それでも彼女の周りに溢れる色彩は何時だって美しかったから。
この光の海の中でだって、彼女は様々な色彩を見付け艶やかに世界を『彩って』行くのだろう。
「どうかしたのかしら?」
「いいえ、ふふ……光が眩いけれど、その中でもアンタはいつだって綺麗ね」
「あなたもよ。輝いた中でも私には一番美しく見えるわ?」
揶揄うように笑ったプルーの頬にジルーシャはそっと手を当てた。その掌を彼女の細い指先がそっと掴む。
「この距離だとアンタしか見えないわ」
「ええ、そうね。違うわ、ジルーシャ。この方がようく見えるの」
吐息が重なって終うほどの距離で。その瞳に魅入られたように覗き込む。
ああ、なんて美しい色彩だろう。彼女の瞳が映す世界は艶やかな光に溢れているから。
――その色彩の中に、自分だけが『独り占め』をしている事が嬉しくってたらない。
「アタシ、アンタが好きよ」
囁くその言葉と共に、唇は―――
*SS担当:夏あかね