イラストSS

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　――スカイランタンを見にいらっしゃいませんか？
　そうアラーイスに誘われての冬のラサ。
　ラサと言えど冷えるからと暖かな装いをしてきたジルーシャの装いに、あらとアラーイスが気がついた。
「ラサ風ですのね」
「ええ、そうなの。似合うかしら？」
　民族風な外套の下にはカフタンシャツよと首のストールを少しだけ緩めてみせれば、よくお似合いですわとアラーイスが微笑った。
「……あ」
　もうすぐだろかと話してたふたりの視界に、灯りが天へと昇っていく情景が映り込んだ。
　橙色の暖かな灯りが、ぽつりぽつり。
　それがどんどん増えていく。
　会話は自然と途切れ、息をするのも忘れそうなくらいに見入っていた。
「はー、夢みたい……」
　息を吐き出せば、白が口元にふわり。
　その間にも新しい灯りが暗い夜空へと旅立っていくものだから、目が離せない。
「ふふ。楽しんで頂けたようで、嬉しいです
「とっても綺麗ね、アラーイスちゃん」
「ええ。ラサの夜空も綺麗でしょう、ジルーシャ様」
　微笑んだアラーイスは「よければ来年も」と言いかけて、小さく咲う。
「来年は意中の相手をお誘いして一緒に見上げるのも良いかもしれませんよ？」
　だって、美しい横顔が見放題になるのですから。

　※SS担当者：壱花