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ベルナルド=ヴァレンティーノの蓮葉まことによる2人ピンナップクリスマス2023
ベルナルド=ヴァレンティーノの蓮葉まことによる2人ピンナップクリスマス2023
イラストSS
ベルナルド=ヴァレンティーノには一つだけ心残りがあった。
滅びに瀕する混沌を感じ取りながら、其れでもやりたい事が一つだけ、あった。
「なあ、合作をやってみないか」
そう話を持ち掛けると、ベルナルドが友人と呼ぶ情報屋――グレモリーは其のはっとするような金色の瞳を瞬かせた。付き合いの長いベルナルドには判る。これは心底から意外な事を言われた目だと。
「合作?」
「ああ。俺達、いつも一緒に作品を作る事はあっても、一緒に一つのものを作った事はなかっただろ。だから、……あー……なんだ」
上手い誘い文句が思いつかないと後頭部を掻くベルナルドに、グレモリーはほんの少し笑みを浮かべて『いいよ』と言った。
そうしてベルナルドのアトリエ。
二人は鉱石菓子を摘まみながら、何を書こうかと白いキャンバスを見詰めていた。
「何を書くかな」
言葉にしたのはベルナルドだった。
グレモリーは首を右に傾げたり、左に傾げたりしている。
そうしてぽつり、と呟いた。
「友情」
「ん?」
「折角僕たちは友人なんだから、友情を書けばいいんじゃないかな」
……少し気恥ずかしくなったのか、グレモリーは手元の鉱石菓子をぽいと口に入れる。
「――はは! そうだな。じゃあテーマは『友情の結晶』って事で」
「うん。君の青を基盤にして、僕は、……そうだな。酔った君でも書こうかな」
「……其れはやめてくれよ?」
※SS担当:奇古譚