イラスト詳細
2人ディナー作成中♪
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「赤ワイン入れたら、やっぱり美味しいわねー」
牛肉たっぷりのビーフシチューに葡萄酒を加えて、レイリーは楽しげに呟いた。
向かいの幸潮も、オーブンからこんがり焼けたローストビーフを取り出してみせる。
「OK、いい焼き加減だ。そちらは順調か?」
「もちろん、愛情込めて作ってるわよ、幸潮」
レイリーが振り返ると、幸潮は薄くスライスをしている最中であった。横にはシーザーサラダが置いてある。種々の野菜に、トマトやモッツァレラチーズが添えてあり、彩りも食感もばっちりだ。二人で食べるには少々量が多めの夕食だが、特別な日の晩餐と考えると、お互い気合いが入ってしまうものだった。
「我はレイリーの為にも幾らか大きく切り分けておこう。酒と合わせるに、食べ応えがあるほうが好きだろう?」
「ありがと。ふふ、私も美味しく仕上げないとね」
そう言って、レイリーは鍋へと向き直る。
エプロンを身に着けた彼女は、白き鎧を纏った騎士とも、舞台で煌めくアイドルとも違う、穏やかな表情を浮かべていた。幸潮はそんな横顔を静かに見つめてから、暖かな感情に駆られて、ふっと目を閉じる。
「聖なる夜に二人きり。祝福を君に……なんてフカしすぎだろうか」
レイリーはくすりと、少女のように笑った。
――幸潮のそういうところ、好きよ、と。
※SS担当者:梢